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社労士がパブコメで気になった助成金の変更予定(令和4年度)

令和4年度の助成金のパブリックコメント(行政機関が法律等を決める際にあらかじめその案を公表し、国民から意見、情報を募集する手続)が公表されました。

公表時点(2022年2月21日)では、決定ではありませんが主な変更予定を見ていきます。

令和4年度助成金の主な変更点

  • 両立支援助成金(出生時両立支援コース)

  • 65歳超雇用推進助成金

  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)


両立支援助成金(出生時両立支援コース)


男性の育休取得率は、令和2年の雇用均等基本調査によれば、12%を超え、令和4年度の育児介護休業法の改正により、さらに育児休業が取得しやすい環境が整います。

令和3年度までの出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は、男性の育児休業取得者の人数に応じて、支給されていました。例えば、中小企業の場合、1人目は出生後8週間以内に開始する連続5日以上の取得で57万円、2人目以降は、育児休業の日数に応じた金額です。さらに、育児目的休暇の導入・利用や個別支援加算といった上乗せがありました。

出典:厚生労働省「2021年度の両立支援等助成金の概要」


令和4年度は、第1種と第2種に分けられます。

第1種は、産後8週間以内に開始する男性労働者の連続5日以上の育児休業の取得で20万円代替要員加算(男性労働者の育児休業期間中に代替要員を新規雇用(派遣含む))で20万円(3人以上は45万円)となります。

第2種は、第1種に該当し、場合で育児休業取得率の30%以上の上昇した場合に1年以内の達成で60万円、2年以内40万円、3年以内20万円と達成にかかった期間に応じて、支給額が少なくなっていきます。

育児休業取得者の人数に応じた支給額は、少なくなりますが代替要員の新規雇用(派遣を含む)や3年以内の育児休業の取得率の上昇(30%)に対して支給され、大企業と中小企業といった線引きもなくなることになりそうです。

出典:厚生労働省「未来社会を切り拓く「成長と分配の好循環」の実現」」


65歳超雇用推進助成金(65 歳超継続雇用促進コース)


厚生労働省の「高年齢者の雇用状況」(令和2年)によりますと65歳定年の企業割合は18.4%、希望者全員が66歳以上働ける企業割合は12.7%となっています。
令和3年(2021年)4月からの70歳までの就業確保措置の施行(努力義務)や人不足の影響もあり、高齢者雇用が進んでいます。
そこで年齢枠を統合したり、人数を細分化しつつ助成額が見直しとなる予定です。
変更点は表を見比べた方がわかりやすそうです。

 【令和3年度】

【令和4年度】

パブリックコメント案件番号495210441から抜粋

予算も縮減され、額も少なくなる傾向にあります。


キャリアアップ助成金(正社員化コース)


最後に注目度が高く、予算も大きいキャリアアップ助成金です。
令和3年度は正社員化コースに以下の3つの転換方法がありましたが令和4年度から下記②の有期→無期が廃止となる予定です。

①有期→正規
②有期→無期(令和4年度廃止予定)
③無期→正規

もともと正社員化コースなので、有期→無期は不要という声もありましたが。
ただし、②有期契約→無期契約も令和4年3月31日までは対象となりますので、ご注意ください。
正社員化コース以外の変更点は下記リーフレットがよくまとまっています。

◆キャリアアップ助成金が変わります~ 令和4年4月1日以降 変更点の概要~(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000900336.pdf


以上となります。
申請の際は、正式決定後に内容をご確認の上、お願いいたします。
他にも変更点がありますので、気になる方は詳細を下記パブリックコメントにてご確認ください。


◆雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案(仮称)に関する御意見の募集について(パブリックコメント)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495210441&Mode=0


◆「未来社会を切り拓く「成長と分配の好循環」の実現」
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/22syokanyosan/dl/02-05.pdf


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