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手が届かないから 手にしたい♪

※ 目の行き届かない商売はしない。

これは、お客様に対してのみではなかったのではないかと感じる。

様々な業種の経営陣にお会いしたり、書物を読むと上記の言葉がよく出てくる。
現在 情報発信も様々にある。
東西南北 国内外関係なく、 殆どが手に・耳目に出来る世の中になった。

そんな中、上記の言葉を残した人々の経営は 独特である。

多店舗化してない。
のれん分けをしない、簡単に行わない、数や出店箇所を考えて行っている。

それが、上記の言葉にある。

お客様だけでなく 社員=店員に対しても、自身で確認できない商売はしない・出来ないからである。

全数 ある程度の把握が出来る範囲で商売をする。

コロナ経済になり、この良さが明るみに出た。
安定した経営である。

客の目線だと、何処に行っても手にできるものを手にしたいと思わない。
口にしたいと思わない。

何処でも買えるからいらない。が本音である。

昨今 手にしたい、口にしたい、そんな衝動に駆られるものは、多店舗化されていない。

コロナで制限が出ている中でも、これが食べたくてしょうがない!だけど、行動制限が出てるから行けないじゃん!
制限開けたら、一番に食べに行く。

そんなものを取り扱うところが安定している。

博多のある老舗は、絶対に多店舗化をしない。
新たな商売に着手していない。
自社製品を何処ででも手にできるようになったら御終いなことを最初からわかっているのである。

創業当時から これを貫きとおす理由がわかった。

博多に来てもらわないと買えない。
博多へ行った人しか手にできない。
博多へ行った人しか手にできない土産がある、贈り物がある。
そんな思いを持たせている。

豊かな世の中になっても、足を運ばせることにも意味がある。

九州の百貨店が「北海道展」「イタリア展」を行う理由は、ここにある。
簡単に入手・口にできないもの、諸外国・町(「街」ではない)や小さな村で作っているものを手に・口にしたい人がいるからである。

隣町の小さな商店街にしかないものでもそうだ。
そこへ、足を運ばせる魅力があるのである。

今、人が遠くからでも足を運んでも食べたい物・手にしたい物を商売にしているところには、今の状態を維持してもらいたいと願っている。