私たちが被災地に通い続ける理由|日野市|
2019年2月6日(水)から10日(日)にかけて, 東京都日野市豊田にあるイオンモール多摩平の森にて, 多摩地区の大学と地域によるネットワーク(ボラネット多摩)が主催する『~第5回 大学生ボランティアの活動報告会&イベント~被災地と多摩地域の架け橋「大学生はなぜ、被災地に通い続けるのか?』が開催された.
本イベントは, 私が学生の頃に自ら企画書を書き, 実現させたものである. 第1回の開催に携わって以降, 直接的な関わりはなかったのだが, 今年度から大学のボランティアコーディネーターとなり, ボラネット多摩の一員として再び携わることになった.
今回, 私が中心となって取り組んだのが『PR動画プロジェクト』である. これまで同イベントでは, 学生がPowerPoint等を使用し, 自分たちの活動について発表してきた. しかし, 東日本大震災からまもなく8年, 熊本地震からまもなく3年が経とうとしている. 時間の流れの中で, 少なからず人々の防災・減災意識は減少した. 学生の発表を聞きにきてくださる方々の数は少しずつ, けれど確かに減っていった.
このような現状を踏まえ, 今回は, 「より広く, 多くの方に自分たちの活動を知ってもらう」「言葉にできないことを映像を通して伝える」ことを目的とし, 動画というツールを活用して「自分たちの取組のPRを通して被災地の今を伝え, 関心をもってもらう」ことに取り組んだ.
制作する動画のテーマは, 『私たちが被災地に通い続ける理由』だ.
学生たちは慣れない動画制作に加え, 「自分たちの活動は何のために, 誰のためにやっているのか」「自分の活動に対するモチベーションはどこにあるのか」,『私たちが被災地に通い続ける理由』を自分の中から一生懸命に探した. OB・OGがどのような思いで立ち上げたのか, 続けてきたのか, それは, 考えれば考えるほど分からなくなり, これまでの活動に自信がなくなった人もいただろう.
12月18日(木), 明星大学プレゼンテーションルームで開催した中間発表上映会では, 各大学・団体の学生が苦心して動画制作に取り組んだ様子が伝わってきた. 本番同様にそれぞれの動画を上映すると, 各大学の特徴が見えた. それは, 動画のつくり方でもあるし, 思いの表現のしかたでもある. しかし, なにより, それぞれの動画をつくった学生の工夫や苦悩を聞き, 自分たちの団体が『私たちが被災地に通い続ける理由』を表現しきれていない焦りをどの団体も感じていたはずである.
2月10日(日), イオンモール多摩平の森3階イオンホールでPR動画上映会では, 事前に用意した80の座席が足りなくなるほどのお客さんに来ていただくことができた. この『PR動画プロジェクト』の価値については, 実際に大学生が苦心し制作した「PR動画」を見ていただければ分かるだろう. ボラネット多摩のYouTubeアカウント(https://www.youtube.com/channel/UCOp-T30AjmIWZ4S5gXbY7-g)からぜひご視聴いただきたい.
東日本大震災からまもなく8年, 熊本地震からまもなく3年.
被災地と呼ばれる地域の人たちにも, 被災地から遠く離れている人たちにも, そしてそこで活動する大学生にも同じ時間が流れている. 全ての人が今一度自分の足元を確認し, 未来へ生かす必要があるのではないだろうか.
2月6日(水)から10日(日)にかけて実施した『パネル展』では, 3階エスカレーター脇にパネルを設置し, 中央大学・明星大学・実践女子大学・首都大学東京・法政大学における学生の被災地での取組や日野市・日野市社会福祉協議会を通じた地域の活動の様子を写した写真の展示を行った.
2月9日(土), イオンモール多摩平の森の入り口付近で実施した『物産展』では, 法政大学が熊本県益城町の物産を中央大学の学生が岩手県宮古市や宮城県女川町の物産を販売した.
2月10日(日), 3階イオンホールにて,『PR動画プロジェクト』の動画上映会及びトークセッションを行った.トークセッションでは, 渡戸一郎先生(明星大学名誉教授)をファシリテーターとして迎え, PR動画を制作した学生と学生が被災地で活動することの意義を考えた. さらに, 登壇した学生が普段活動を受け入れてくださっていたり, 共に活動したりしている宮城県気仙沼市・福島県いわき市・熊本県西原村の方とLIVE中継を結び, トークセッションに加わっていただくなど, 活動する側とそれを受け入れる側という双方向からの話し合いが行われた.
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