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胃ポリポーシスを、もって生まれたと知ったとき。

誤解をおそれずに、言おう。
ある意味「GIFT」―贈り物だと、わたしは思っているんだ。

安定剤が切れて目が醒めたあと、胃カメラの画像を見せられて一瞬で悟った。あぁ、胃を全摘するんだな、わたしは。そうか、また意味のある出来事が目のまえに用意されて、人間が、魂が、磨かれるんだろう、と。

抜けきらない安定剤のせいで、頭はぼんやりとしていて、先生が重大な告知のように言っていた気がするけれど、「ふん、ふん、」「そうですか、」なんて冷静な受け応えをしていました。先生からみれば、ショックのあまり口数が少ないように見えたのかもしれません。でも、胃の中いっぱいに敷き詰められたポリープの数を見せられると、否が応でもそれはリアルになる。

うまれて38年、胃カメラや大腸カメラ、人間ドックにさえ行ったことのなかったわたしは、じぶん自身の身に「手術」が必要となる事態が起こりうるなんてこと、1%も想像したことがありませんでした。それが、いざ、起きる。リアルすぎる現実が、「手術なんて怖い!」「ウソだ!」なんていう思考以前に、スン―と頭の芯を冷やしたのです。

家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS]
判明した病気は、家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS ギャップス]。ある特定の遺伝子に変異があり、50%の確率で優性遺伝する病気だそうです。つまり、父親か母親がこの遺伝子を持っていると、50%の確率でその子どもに遺伝するということ。胃の中に通常100個以上のポリープができ、そのポリープは遅かれ早かれ60歳までにポン化するのだそうです。普通は大腸ポリポーシス(FAP)と言って大腸に100個以上のポリープが密集してできる病気なのですが、胃限定でできるこのタイプ(GAPPS)は今のところ(2019年9月現在)日本全国で四家系しか報告されていません。大腸ポリポーシスでも日本全国で約7,000人、胃ポリポーシスではたったの四家系です。
※ポン=がんのこと

潜在意識は答えを知っている。
ひとりで受けた告知でしたが、このときの感覚がすべての答えだったのだと、いまにして思う。胃の全摘手術を決め入院の手続きが整うまでの3ヵ月間、あらためて襲ってくる不安や恐怖、両親との心理戦やインナーチャイルドと向き合わざるを得ませんでした。心身がバラバラになるような、しんどい時間だった。でもそのプロセスは、わたしの拗れた精神環境をととのえるのに必要不可欠な時間だったのです。そして、はじめから出ていた答えに(わざわざ障害物をおき、迂回し、自作自演で)たどり着くまでのこの期間は、もうすでに神様が用意してくれた、わたしへの「GIFT」だった。






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