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ベートベンとの再会

つれづれ音楽雑感 第15回


Bluetoothストリーミング補聴器の環境は徐々に整ったので
最初の頃は、楽器独奏やクラシック音楽以外を聴いていた。

中途の聴覚障害になってクラシック音楽をあきらめるまで
大編成オーケストラの交響曲ばかりが好きだった。
特に、最後は悪あがきや焦りみたいいに

ベートベンとの再会は3年くらい前
たまたまBluetoothストリーミング状況がいいと感じたので試しに聞いた。

ピアノ協奏曲第4番

非常に感動した。

世間一般でもベートーヴェンは楽聖として最高の音楽家とされるけど

やはり圧倒的な技巧と美しさだなと思った。
他の追随を許す余地はないなと

それから、ふと、どうしてそう思うのか考え始めた。

昔の田舎の中学生のモノラルのラジカセでもベートーヴェンは好きだった。

旋律の輪郭がわかりやすく、おぼえやすく、親しみやすいと感じた
その上、強く感情を捉える力のある音楽だと思った。

Bluetoothストリーミングの調子が良かったので
これまで気が付かなかった楽器の音も聞こえて
ああ美しい響きだな、と夢中になれた。
比較的小編成のオーケストラで、かつ演奏スタイルが幸いしたと思う。

ピアノ協奏曲はピアニストの技巧を披露する性格もあるけど
ベートベンの協奏曲4番では
一切の無駄な、いやみな技巧のひけらかしを感じない
すべてが必然で的確に感情を強く捉える。
強い意志がみなぎった人間賛歌みたいな性格の音楽だ。
すごく勇気が湧いてくる。
その上で、一切の妥協のない圧倒的な技巧の華やかさと高み
まさに圧巻としか形容できない。

演奏家は強弱で曲想を構成するため、
私にはほとんど聞こえない演奏も少なくないけど
たまたま、私にも楽しめる演奏に出会えて幸せだった。


とくに第2楽章が好きです。
[NYCP] Beethoven - Piano Concerto No. 4 in G major (HaeSun Paik, piano) (youtube.com)

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