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こんな男にこんな美しい曲が書けるの?

つれづれ音楽雑感 第8回


同時代を生きていたら、自分は絶対に付き合いたくないヤツです。

でも、疑いなく天才。
その名は、ワーグナー

自分でも、「ベートーヴェンと並ぶのは自分しかいない」 と豪語していたらしい。
俺様男・・・葉加瀬太郎さんがテレビで形容。まったくそのとおりと思う。
友人の妻を自分の妻に。
「私に支援する栄誉を与える」とスポンサーにも上から目線。

でも、ワグネリアンと呼ばれる熱狂的なファンが生涯彼の芸術を支えた。

彼の悪評は知っていたので、近づかないようにしていた。

でも、”ワルキューレの騎行” には出会ってしまっていた。
”地獄の黙示録”の映画は観てしまった。
だから、音楽のすばらしさにはうすうす気が付いていたのかもしれない。

しかし
彼はユダヤ人を差別し
ナチスドイツのヒトラーは彼に心酔していた。
だから、とても受け入れるわけには

でも、ある曲と出会ってしまった。
ジークフリート牧歌

”この男にこんな美しい曲が書けるのか”

披露の仕方もパワハラ上司的で好きではないが
すごく美しい。
くやしいけど、この男は天才だ。

それからは観念して、いろいろ聴きだした。

神々の音楽、超越的な力へあこがれる気持ちは誰にもあるだろうが
それを見事に絡めとる。

これらの輝かしい曲に包まれながら、英雄にならんと戦死したドイツ兵が沢山いたに違いない。
なんとも罪深い男だ。

狂王と呼ばれたバイエルン国王は彼に心酔。
専用劇場まで作った。
当然、国は傾いた。
しかし、今となっては人気の観光資源だ。

私生活に問題のある作曲家は枚挙に暇がない。
むしろ良い人は少ないのかも。
だが、ぶっちぎりの問題児だろう。
だけど、疑いなく天才。

音楽のもつ力は、権力に悪用され得る。
こいつは、自ら売込みした。
戦意高揚に果たす力は抜きんでている。
いとも簡単に人を狂わせる。

でも、息子のジークフリートを愛する気持ちは本物だと信じたい。

Wagner: Siegfried-Idyll ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Alain Altinoglu (youtube.com)
ジークフリート牧歌

ほかの曲は自己責任でどうぞ


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