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美容室で起こりがちなお客様とのトラブル回避法

美容師さんの心掛け

私が通っている美容室の美容師さんは、いつも最初のカウンセリングやヒアリングを、とても丁寧にしてくださいます。
その経緯もあってか、仕上がりにはいつも大満足で何年もリピートしています。

美容師さんに、
「いつも丁寧に接客してくれますよね。リピーター多いですよね、きっと。何か気を付けていることってあるんですか?」
と聞いてみたところ、

「お客様が嫌と感じることをしないことですかね。
例えば、顔にハサミが触れたら嫌だろうから振れないようにしたり、要望と違う仕上がりになったら嫌だろうから、よく話を聞いたり・・・。」

と、教えてくれました。

なるほど、なるほど。相手の立場に立って考えてくれて寄り添ってくれているから接客が気持ち良いんだな、と実感。(…もちろん技術力もありますよ)

さらにそう考えるようになったきっかけを伺うと、
「僕の師匠に、『一度、お客様が嫌と感じることをしたら、もうそのお客様は戻ってこない』と教わった。」
と、教えてくれました。

そこで、今回は美容師さんが避けたいトラブルを調査してみました。



美容室で避けたい5つのトラブル

1.施術結果が思ったようにならない

美容室での施術は、お客様の要望や髪質などによって仕上がりが異なることがあります。そのため、お客様がイメージしていたような髪型や色にならない場合があります。お客様自身が希望するイメージを施術者が正確に掴めていないことや、提供する施術内容を分かりやすく伝えられていない、お客様の髪質を把握しきれていない、といったことが原因となっています。

2.アレルギー反応が起こる

美容室でのカラーやパーマなどの施術は、使用する薬剤によってアレルギー反応が起こる可能性があります。そのため、施術前にアレルギーの有無や過去に施術で皮膚トラブルが無かったかを確認することが必要です。

3.髪や頭皮に想定以上のダメージが起こる

カラーやパーマなどの施術は、表面は理想通りの形になったとしても髪や頭皮にダメージを与える可能性があります。ハイダメージが想定される施術を行う場合は、適切なトリートメントやアフターケアなど、お客様にも必要性を理解してもらうことが必要です。

4.施術中の怪我

施術中に、美容師やお客様自身が怪我をすることがあります。例えば、美容師が手違いで手に切り傷を負ったり、ハサミでお客様に傷を付けてしまったり、アイロンやコテが当たってしまったり、床ですべって転んでしまうなど、不慮の事故も起こり得ます。

5.料金についてのトラブル

お客様が予約していた施術内容に追加してメニューを加えた場合、料金やオプションメニューについて十分に説明がされず、施術後に支払いでトラブルになることがあります。

これらはどれも実は、説明不足や事前確認不足、また「分かっているだろう」「伝えたつもり」で起こるトラブルです。

では、こういったトラブルを防ぐにはどうすれば良いか?

「同意書」をつくることです。

同意書というと、堅苦しく感じるかもしれませんが、お客様に重要事項を正しく理解してもらい、お客様に気持ちよく施術を受けていただくため。そして、経営者として美容室を守るために必要なものです。


意味のある同意書をつくるために必要なことは?

同意書をつくると言っても、ただ注意事項をツラツラと書いて「何かあったときの盾にする」ということではありません。トラブルが起こることを避け、お客様との信頼関係を築くために双方で確認し合うことに意味があります。

同意書をつくる際は、次の5つがあるか確認しましょう。

1.目的を明確にする

同意書を作成する目的を明確にし、それに応じた文章を用意することが大切です。例えば、カラーリングやパーマ、カットなど、どのような施術を受けるのか、その施術のリスクや注意事項、料金やキャンセルポリシーなど、必要な情報を明確に伝えることが必要です。
そのため、同意書の内容がてんこ盛りになりそうであれば、施術別に分けても良いかもしれません。

2.言葉を簡潔にする

同意書は、施術を受ける人にとってわかりやすく、簡潔な文章であることが必要です。分かりにくい用語や言い回しは避け、専門的な用語を使う場合は、必要に応じて説明を加えることが重要です。

3.署名欄を設ける

同意書には、署名欄を設けて、お客様が自分自身の同意を示すことができるようにする必要があります。署名欄には最低限、日付や氏名は明記できるようにしましょう。

4.法的な観点を考慮する

同意書には、法的な観点も入れておく必要があります。特に、責任の所在、紛争解決の方法、個人情報保護などの事項を明確に記載することが必要です。

5.定期的に見直す

提供するメニューや技術が変わったり追加することもありますよね。定期的に見直しを行い、必要に応じて更新することが重要です。


同意書を導入する方法

ここまで読んでいただき、
「同意書を準備していなかった!」
「同意書を導入したいけど、まずどうすれば?」
という方も大丈夫。
すぐにできる同意書の作り方を紹介します。

最初から弁護士さんや専門家を通すと1件5万円ほどで作成できるそうですが、完成までに費用や時間がかかることも。今回は、簡単に自作する方法で、テンプレートを入手する方法を紹介します。

1.オンラインテンプレートサイト

無料で利用できる同意書のテンプレートは、多数存在しています。
オンラインで取得できるテンプレートサイトで美容室の同意書のテンプレートを探して、利用すればスムーズに作成できます。

2.美容室の業界団体のウェブサイト

美容室の業界団体のウェブサイトには、同意書のテンプレートが公開されている場合があります。例えば、全国美容生活衛生同業組合連合会(全美協)などの団体が公開していることがあります。

3.美容室の専門書

美容の専門書には、同意書のテンプレートが掲載されていることがあります。お持ちの本を見返してみたり、書店やオンライン書店で専門書を探してみましょう。

4.メーカーや業者のウェブサイト

美容メーカー、ディーラー、美容室向けサービスを提供する業者のウェブサイトには、同意書のテンプレートが掲載されていることがあります。
ディーラーやメーカーの担当者に問い合わせみてもいいかもしれません。

上記のようなところから、美容室の同意書のテンプレートは探せます。ただし、テンプレートはそのまま利用せず、必ず内容を確認し、必要に応じて修正してオリジナルの同意書をつくりましょう。
法的に適切な内容になっているかどうかは、最終的に弁護士さんに確認してもらえると安心ですね。一から作ってもらうのと、最終確認だけなら費用も変わってくるでしょう。

同意書を導入したらスムーズに利用すべし!

同意書は準備できたとして、毎回紙に印刷し署名してもらった紙面を保管しておくのは、保管場所も必要になったり、紛失の可能性があったり、意外と手間が掛かるもの。

デジタル化することで、業務効率を上げることができます。
電子化する方法を調べてみました。

1.電子署名サービスを使用する

オンラインの電子署名サービスを使用すると、PDFファイルとして保存しておくことができます。
業種問わず様々な企業で取り入れられているので、汎用性が高く無料から使用でき、信頼度が高いでしょう。
例えば、「Docusign」や「Adobe Sign」などがあります。

2.オンラインフォームを使用する

同意書をオンラインフォームとして作成し、美容室のウェブサイトにアップロードしておく方法もあります。
お客様には、自宅やスマートフォンから同意書を確認・記入し、送信してもらいます。フォームの回答は、自動的にクラウドストレージや専用のファイルサーバーに保存されるので、サロン内での作業負担を減らせます。
例えば、「Google Forms」などがあります。

3.電子カルテやPOSレジと一体化したサービスを使用する

美容室・美容サロン向けPOSレジシステムなら、電子カルテや会計などと同意書も一括管理できるサービスがあります。
同意書だけ保管しておくのは面倒ですが、一括で管理でき、そのうえ同意書とカルテが紐づいていることで、同意書のもらい忘れを防いだり、同意書を施術ごとに分けた場合にも探しやすく、美容室の業務効率化としては圧倒的に使いやすいでしょう。
例えば、「Bionly」などがあります。


お客様とのトラブルを防ぐためにも、美容室経営で同意書の存在は無くてはならないものです。
後回しになりがちですが、忘れずに用意しましょう。


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