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顎が落ちる

あのさ

「東京でフランス語学校行くわ」

はい??
私の頭はカオス状態
畳みかけるように追いカオス


「ある程度身に付いたらフランスいくわ」

はい???

「フランス外人部隊に入るから」


顎落ちた


頭がそこまで悪い訳ではない
いや、むしろ嵌れば器用に
何でもそこそこにこなしていた

お宅気質ではあるかもしれないが
スポーツもこなしていた

カオス野郎な一面はあったが
カオス通りこしてここまでくると
気狂い野郎 


丁度月末 給料がでた私は
コンビニでプチ贅沢のデザートを
大切にゆっくり ゆっくり
堪能していた

フルーツケーキの
苺の甘酸っぱい味も
生クリームのミルキーな味も
全て吹き飛び 味が全然しない
あまりの唐突な鉄杭の言葉が
味のしない生クリームに突き刺さる


「フランス外人部隊」
「フランス」と「外人部隊」
2種類の異次元の理解し難い言葉

多分 日本人でこの言葉を
この世を生きていく人の中で
聞く人ってどれくらいいるのだろう

コンビニスイーツみたいに
期間限定でもなく、いや
期間があるのもわからない状態
甘酸っぱくもなく


苦くて不味そうな言葉


平和ボケしていた
私の頭は一気に
得体の知れない不安が強烈に恐い
私の心は


どどめ色の油絵具を塗りたくられ
思考が停止した


通常の
普通の
一般の人間ならば鼻で笑い
出来ないと踏みつつ
見守るに落ち着くだろうけれど

カオス野郎は話が違う
イカれ野郎は話が違う


今まで生きてきた道で
話した時はほぼほぼ意志は決めて
全て実行する

他は一切目に入らない澄んだ目
青空みたいに無駄を見ない目

真っ直ぐな眼差しは
フランスに熱い眼差しを向けていた

「フランス外人部隊」


顎落ちた





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