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アラビカ豆って何?

いい加減、インスタントコーヒーの味に飽きたので、手軽さを捨ててレギュラーコーヒーを買うことにした。自宅ではコーヒー屋で買った焙煎豆を手動ミルで挽いてコーヒーを嗜んでいるが、職場ではタイパを重視してインスタントコーヒーを飲んでいた。
インスタントコーヒーは既に抽出済みのコーヒーを乾燥させて粉末状にしたものなので、お湯をかければすぐ飲める手軽さが特徴だ。対するレギュラーコーヒーはコーヒー豆自体を粉末状にしたものなので、飲むためにはフィルターで濾さないとコーヒーが粉まみれになってしまう。
以上がインスタント(即席の)コーヒーとレギュラー(正統な)コーヒーの違いだ。フィルターで濾す手間はかかるが、いくらコーヒーを速くつくれても美味しくなければタイパは悪い。そこでセブンで適当にレギュラーコーヒーを買ってみたのだが、インスタントコーヒーとは比べ物にならないくらい美味しかった。パッケージを見てみると、アラビカ豆を100%使用しているという。アラビカ豆とはいったいどんな豆なのだろうか。コーヒー好きとしては知っておかないといけないと思い調べてみた。

コーヒー豆の品種は大きく2つに分けられる。アラビカ種とカネフォラ種だ。(50音の「ア」と「カ」と覚えておけばいい。)
アラビカ種はエチオピア原産で、世界で生産される約60%を占める。現在の生産地はブラジル、コロンビアなどの中南米、エチオピア、ハワイ、インドなどだ。
アラビカ種の特徴は、風味や味わいに優れているが栽培に手間がかかる。病気に弱く、標高1000〜2000mの高地で温度管理をしなければならないからだ。この栽培条件を満たせるのが上述した赤道付近の熱帯地方の国々で、これらの地域を総称してコーヒーベルトと言われている。
アラビカ種はさらに細かな種類に分類され、200種類以上にもなるという。ハワイの有名なコーヒーで、私も大好きな「コナコーヒー」はアラビカ種のティピカという品種が使われている。
一般的な珈琲屋はほとんどアラビカ種の豆を使ってレギュラーコーヒーを提供している。

対するカネフォラ種はアフリカコンゴが原産で、世界で生産される約40%を占める。現在の生産地はアフリカ各地やインドネシア、ベトナム、トリニダード・トバゴなどだ。
カネフォラ種の特徴は、酸味はほとんどなく苦味が強いが、病気に強く高温多湿の環境に適応し、標高300〜800mの比較的低地でも栽培できる。アラビカ種に比べて生育環境を選ばないため、コーヒーベルトから外れたアジアの国でも生産することができる。
カネフォラ種の代表的な品種がロブスタ種であるため、ロブスタ種とも言われている。
こちらはインスタントコーヒーや缶コーヒーに多く使われている。アラビカ種と混ぜてブレンドコーヒーとしても使われている。
苦みが強いため好みは分かれるが、横浜の中華街のCAFE GIANGという店でベトナムエッグコーヒーを飲んだとき、その美味しさに衝撃を受けた記憶がある。ロブスタ種のガツンとした苦みと卵や砂糖の甘みが絶妙にマッチしていて、冬の冷気で冷えた心と体を温めてくれた。

話が脱線したが、誤解を恐れずに言えば、「アラビカ種の方が育てるのに手間が掛かる分、一般的には美味しい」ということだ。そしてそのアラビカ種をロブスタ種でかさ増しせずに100%使用しているのだから、私が買ったセブンのレギュラーコーヒーはストレートでも十分美味しいのだと合点がいった。
フィルターで濾す手間を惜しまなければ、十分に美味しいコーヒーが安価に楽しめるため、皆さんも試してほしい。

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