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花に心を動かされる暮らし【KOZUKA 513 shop paper vol09 2020/02】

ショップペーパーのアップ、やっと9号。まだまだ先は長い。1日に複数号をアップできればいいのだけれど、それもなかなか大変で・・・

それでは本文。2月は、早くも春の訪れ感じる南房総にちなんで、花の話。


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花に心を動かされることなんて 昔はなかった
その季節になればその季節の花が咲く
取り立てて騒ぐこともない
 
ある日いつものように最寄りの駅からとぼとぼ歩き
職場の玄関にさしかかったとき
その香りに気づいた
植え込みの中に沈丁花の花が咲いていた
初めて咲いたわけはない
その前年もそのまた前年も咲いていたはず
不意に涙がこぼれた
疲れていたのかもしれない
もうすぐその職場を去る感傷だったのかもしれない
初めて沈丁花の香りを知ったように心がとらわれた
 
改めて気づく
今年は台風のせいか暖冬のせいか
花芽の伸びがもうひとつ元気がないけれど
長狭街道沿いのあちらこちらで見られる水仙の群生
一面の菜の花
やがて桜が加茂川沿いに咲き
庭に見つけた紫木蓮もまた咲くだろう
季節が廻れば 夏の盛りの百日紅や
秋の田の畔の彼岸花にまた会える
知っていたのに知らなかった花 いまだ名前を知らない花 
季節は繰り返し花々は当たり前のように咲く
そのことが尊い
 
四大香木をKOZUKA 513にそろえるのが夢
一昨年植えた金木犀は 秋に小さな金色の花を咲かせ
あっという間に散ったけれど
「ああ 金木犀がある」という喜びを味わわせてくれた
沈丁花は春の開花に向けて花芽を大きくしている
果たせていないのは 冬の蝋梅 夏の山梔子
四季それぞれの香木の香りを楽しみながら暮らす なんて贅沢なのだろう
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