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同じ映画を映画館に27回観に行ったけどたぶん3年くらい寿命が延びた

12月になると雑誌やテレビやあらゆるところで、今年流行ったものとか、流行語とか、みんなやたらと1年を振り返りたがる。
それなら私も振り返ってみようと思い、2023年に映画館に観に行った映画を確認した。確認したといったが、本当は確認するまでもなく結果は明らかだった。

映画館で映画を観ることが好きなので、本当の映画好きのように家でも色んな作品をたくさん観るタイプではない。
偶然同じ時間、同じ空間に集った見知らぬ人たちと、一つのスクリーンを共有して映画を観ることが好きなのだ。
じゃあジャンルを問わず色んな作品を映画館に観に行くかというとそれも違う。
気になった作品を映画館に観に行く。それがすごく気に入ったら複数回通う。これが私の基本スタイルだ。

2023年5月、私の推し作品が映画化された。
『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4Bit BEYOND THE PERiOD』
通称「ムビナナ」このムビナナを計27回映画館に観に行った話をしようと思う。

まず、アイドリッシュセブン、界隈では「アイナナ」と呼ばれているのだが、その作品を簡単に紹介する。
元々はストーリーとリズムゲームをメインとしたアプリゲームで、そこから音楽、LIVE、アニメなど多角的に展開しているメディアミックス作品だ。
アイドルたちが様々な困難を乗り越えて成長する姿を、プレイヤーはマネージャー視点で見守り、応援する。ここで大事なのは、アイナナは恋愛シュミレーションゲームではないこと。アイドルたちは攻略対象ではない。
リアルのアイドル達と同じように、わたしたちに生きる活力をくれる存在。まさに推し。アイナナのアイドルたちは、何ていうか、2次元の枠には収まらず、何ならもうリアルに存在しています、と言いたい。

細かい話をすると、作品の中に登場する楽曲は実際にCDリリースされているのだが、CDジャケットのイラストなどは「描き下ろし」ではなく「撮り下ろし」と表現される。だって実在しているから。

ここまで読んで、ヤベー奴と思ったなら、もう少しだけ辛抱してお付き合いいただきたいし、わかる!と思ったなら、あなたは同志です。歓迎します。

アイナナは作品に登場するアイドルが4組いて、それぞれが色んな楽曲をリリースしている。アニメの中でも歌唱シーンは出てくるが、映画になると聞いてどんな感じかあまり想像がつかなかった。アニメが映画化するのではなくて、LIVE映画らしい。それってどんな感じ?と思っていた。

近年、映画の公開時に入場者特典をつけるのがスタンダードになっている。作品のファンなら当然手に入れたい。アイナナもとい「ムビナナ」も例に漏れず、入場者特典があるという。それも週替りで特典内容が変わるらしい。え、そんなの通うしかないじゃん。
結局、この入場者特典は第13弾(+α)まで続き、勘の良い方ならお気づきかもしれないが、多くの特典がランダム配布というオタクにはお馴染みのシステムだったので、上映館が少しずつ減ってきた頃にはチケット争奪も激しくなり、熾烈な戦いが繰り広げられた。
とはいえ、アイナナのオタクは民度が高い(と私は思う)ので、色々ありながらもみんなこの週替りの入場者特典を楽しんだと思う。運営に感謝。

27回も映画館に通ったのには、この入場者特典が大きく影響しているのはもちろんなのだが、特典配布が終了していても、仕事で心がすり減った時にレイトショーに通ったりして回数を伸ばしていた。

肝心の映画の内容だが、本当にLIVE映画だった。ライブのオープニング映像から始まり、アイドルたちが出てきて歌って踊る。歌と歌の間にはMCがあって、ライブ演出の特効も実際のライブでもありそうなリアルな感じで、本当にふつーにライブビューイングを観ている感じだった。
最初のグループが出てきた時点で、「いる!!!」と思った。いるってどーいうこと?と思われるかもしれないが、「いる」のだ。紛れもなくそこに存在していた。それだけでもう弱々の涙腺が崩壊して、初回はほとんど泣きながら観ていた。泣かずに見られたのは10回目あたりからで、それでもエンディングでまだウルウルする感じがあった。

ムビナナはDAY1とDAY2の2パターンあり、セットリストが少し違うとはいえ、27回も観て飽きないのか?と聞かれると、実は20回目あたりで少しだけ、ほんの少しだけ、もういいかな。。と思った時もあった。
でも、これでもう最後と決めた27回目は、少し期間が空いていたこともあって、やっぱり泣いた。

アイナナはびっくりするくらいストーリーが重くて鬱展開が多い。アイドルを取り巻くいろんな問題とか闇とか、そういうものに傷つきながらも乗り越えてきた彼らを知っているから、ステージの上で輝いている姿が本当に尊いのだ。このキラキラに生かされている、こんな私を生かしてくれてありがとう。明日からもう少し頑張れそうな気がする。そういう前向きな気持ちで毎回映画館をあとにしていた。

27回はたぶんそんなに多くないほうだと思う。私などはまだまだだ。
でも、私なりに全力で、必要なペースでムビナナを楽しむことが出来た。
改めて、アイドリッシュセブンという作品が大好きで最高だと感じた5ヶ月だった。

2023年12月22日、映画のBlu-ray・DVDが発売される。
YouTubeに公開されているライブのダイジェストPVを貼っておくので、興味があってもなくても一回観てほしい。
私はこの円盤で更に2年くらい寿命を伸ばしたいと思う。

2023年を振り返ると、アイナナも含め、多くの推しのおかげでなんとか12月まで走ってくることができた。もちろん家族や友達の存在も大きいけれど、オタクには推しが栄養であり、砂漠で乾いた喉を潤す水、みたいな存在だと思う。
今年も推しに生かされた、そういう一年であったことは間違いない。


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