●躁鬱病の原因に気付いた日


このときわたしは本当に不眠に苦しんでいた。寂しくて夜寝付けなかったのだ。それは今でもある。全く寝れていないのに、外からすずめがチュンチュン鳴く声が聞こえてきて、本当にイライラするのだ。焦りと苛立ちで余計に寝られない。1、2時間しか寝れず職場に行くなんてザラだった。

そんなわたしを助けてくれたのが「寝落ち通話」だった。

そもそも、わたしはオンラインゲームをする人なので、会ったことのない人との通話にそこまで抵抗がなかった。一番最初の寝落ちはそのゲームで仲良くなった人とだった。わたしと旦那さんとの事情は知っている人だったので、

「ほら、今日も誘いに行ってきな?様子見てきなよ。」

と言ってくれた。見に行くと旦那さんはすでに寝ていたのでわたしは悲しくなり、彼の元へ戻り、わんわん泣いていた。もう時間も遅かったので、
「そんなんで一人で寝れる?」と彼は言った。「寝るまでこのまま通話を繋いでてあげるから」と言われ、そのまま相手の気配を感じていたら、いつもより早めに寝れた。わたしが寝落ちと出会った日だった。

その方とは仲良くさせていただいていたけど、通話をしない日がきた。わたしは彼に依存しきっていたのでまた寝れない日がやってきた。どうしよう、と焦ったわたしは他に通話してくれる人を探した。当時わたしがよく使っていた、スカイプの掲示板で相手はいくらでも見つかることがわかった。寝落ち相手を探すとこっちは純粋に一緒に寝てくれる人を探すのだが、相手が男性だと、どうしてもエッチなこと目的で相手を消費することでしか見ていないおクズちゃんがいっぱいいた。

そんな中でもたまに心を許して色々話がしたくなるような人に知り合えるのだ。

寝落ち通話をして1年、Hくんに出会った。彼とはいろんな深い話をした。ネットから知り合うことの利点は、いつでも簡単に切れる間柄であるゆえ、深い話がしやすいということ。わたしはあまり自分の話をするのが好きではないので、普段はしないのだが、彼には話していい気がしたし、彼も話して欲しいと言っていたので自分の話をした。

そうしたら、わたしの話を聞いたHくんに、

「その病気、旦那さんが原因じゃん」

と言われた。わたしは一瞬、え?と思ったが、すぐにそうだな、と理解した。腑に落ちてしまった。そこから気づかないふりして蓋をしてなんとか日常を保っていたわたしのパンドラの箱の蓋が開いてしまって、めちゃくちゃになった。毎日病んで辛かったし、Hくんにもなぜか、蓋を開けたのは貴方じゃない、最後まで責任取ってよ、毎日話して一緒に寝てよ、と当たり散らかした。当たり前のように彼はいなくなった。
けど、わたしに初めての気付きを与えてくれた。
それからのわたしの行動は早かった。

「もう無理です。離婚してください。」

とすぐに旦那さんに伝えた。旦那さんはもちろん拒否したけれど、わたしの精神はすでに限界だったので、「じゃあとにかく出て行ってください」と伝え、1週間後に旦那さんはわたしに家を追いだされてしまった。

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