さかえ

日々思ふことについて書きます。漫画、音楽、本、映像作品等についても。

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日々思ふことについて書きます。漫画、音楽、本、映像作品等についても。

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再開

長らく更新していませんでしたが、これからまた、 何か思ついた時に色々と書いてみようと思います。 更新していなかった理由は、色々あります。 まずは私が大学院を修了し、新卒として入社したこと。 そこからすでに、一年が経ちました。 さすがに社会人生活にも慣れてきて、いろんなことを顧みたり記したりする時間が取れそうです。 この一年、いろんなことがありました。 考え方も、生活そのものも、その前までとは大きく変わりました。 今となっては、そんなあれこれが、 未だ書かれていないテーマと

    • 穴倉を出る

      出窓が一つ、小さいベランダつき。 コンクリート建ての2階、北向き6畳間。 都内の住宅地にあり、静か。 自然光は入らない。 同居している観葉植物くんは、それでも這いつくばるように、 窓に向かって茎を伸ばす。 そのうち植物の体全体が窓に向かって傾いてくると、さすがに見栄えが落ちるから、 真っ直ぐ伸びるよう、自分は定期的に鉢を回している。 こいつとの出会いは偶然に近かった。 植物を部屋に置こうと思って買ったのではない。 知人がやる社会人演劇にスタッフとして参加した際に、 小道具

      • 独身二十代の60点の生活

        とりあえず60点ぐらいやれれば、立派だと思うようになった。 以前は、あれもこれもやりたい、でもやれない、 どうしてできないのだろうと凹むことが結構あった。 成功している人は、誰も彼も無限に努力できることをアピールしている。 インフルエンサーたちも、試験に受かるため、痩せるため、キラキラするため、それぞれの習慣を発信している。 社会人になってから、色々試してみたが、どれも続かなかった。 周りと比べて、自分は何もできていないと思い込む節もあった。 でも今では、自分の持つ期待

        • 心の病を持つパートナーとつき合って

          9月から同棲を始めることになりました。 来年中に結婚する前提で付き合っているので、 この記事では相手のことを「パートナー」と書いちゃおうと思います。 自分の記事上では、読み手に筆者の性別を意識させたくないと常々思って書いています。 だから、相手のことも「彼氏 / 彼女」で呼びません。 かといって、いちいちその人を「Aさん」とか偽名で呼ぶのも、よそよそしい。 だから、未だ同居もしていない現状において、ちょっと気恥ずかしいけれど、 「パートナー」と言うことにします。 以上。本

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          【推しの子】2期エピソード4感想 〜演劇を嗜んだ立場から〜

          「漫画は一人で全部作れるのが楽しい。  演劇は一人で全部は作れないのが楽しい。」 友人の言葉です。 彼女には、大学演劇のサークル界隈で出会いました。 自分の出身大学は、演劇が盛んなことで有名です。 多種多様な演劇サークルが群雄割拠し、 派生したユニットも含めるとさらに多くの団体が、 1年中、大学内外で何らかの公演を打ち続けているような環境でした。 彼女はそこで、役者業や脚本業、宣伝美術(フライヤーの作成)などの仕事を担当していました。多才な人です。 漫画も、演劇とは別の

          【推しの子】2期エピソード4感想 〜演劇を嗜んだ立場から〜

          言葉は「ナイフ」? 〜言葉に傷つく経験を捉え直す〜

          人を傷つける言葉のことを、「言葉のナイフ」って言ったりしますよね。 言葉は人の心を刺すもので、その威力は場合によっては、ナイフと同じぐらい強いんだよ、という意図の込められた言い方です。心理的な痛みを、身体的な痛みに置き換えた表現ですね。 この例え自体が悪いとは全く思わないのですが、しっくりこない点がいくつかあります。 「ナイフ」は、確かに心理的な痛みの重大さがよく伝わる表現です。 けれども実際に言葉で傷つく時って、まず刺し傷を残すほどの悪意をもって為されることばかりではな

          言葉は「ナイフ」? 〜言葉に傷つく経験を捉え直す〜

          転職活動の感傷プレイリスト

          社会人2年目の夏です。 実はこのたび、転職することになりました。 理由については、一言では言えません。 非常に恵まれた職場環境でした。でも色々なものと、折り合いが付かなかった結果です。 直属の上司との相性とか、長い残業時間とか、若手ながら多くの裁量を任される点だとか。 1年目の冬には他にやりたいことが見つかり、異動願を出しましたが、会社側の都合で叶いませんでした。 結果、「あともう少し、数年だけでも今の部署で頑張ろう」という、己の内で理性が呼びかける声も虚しく、心が先に折

          転職活動の感傷プレイリスト

          20代中盤、結婚にザワつく

          今から一年前、新卒での就職から程なくして、 人生に急展開が起きました。 今の恋人ができたことです。 相手から告白されて、付き合い始めました。 当時の自分としては、4月に出会ったばかりの相手に対し、 好感や人としての興味は抱いており、 「今後もっと仲良くなりたい」ぐらいには思っていたものの、 まだ恋愛感情には遠い認識でした。 告白された際も、意外ではありつつも、 「試しに付き合うのもいいな」と思ったので承諾しました。 そして、社会人2年目に入った今、 一年後に結婚する前提で

          20代中盤、結婚にザワつく

          どうしたコロナ

          コロナりました。 職場で軽いクラスターが起きて、その流れに飲まれた形です。 今まで感染経験ゼロで通っていました。2023年の今となってはもはやレアな人間でしたので、そのステータスを失うことになって若干残念です。まあ別に何の得にもならなかったけど。 同僚は皆苦しんでいます。味覚が消えたとか、寒さと暑さが同時に押し寄せるとか、声が全く出ないとか。一週間近く熱が下がらない人も珍しくありません。 え、なんで他人事なのかって。 だって結構元気なんですもん。 いえ、無症状ではあり

          どうしたコロナ

          大学院生やってみた感想

          先日、修士論文を出し終わりました。 現在は卒業までアルバイトに勤しむ日々です。口頭試問は残っていますが、それを終えて、かつ単位の計算を間違っていなければ、晴れて修了となります。 寂しい気持ちはもちろんありますが、総合してみればどちらかというと晴れやかな心持ちでいます。後ろ髪を引く思いの正体も、大学施設(特に図書館)を使えなくなることとか、休日にしたい日をいつでも休日にできる気楽さを手放すことになるのに対してであって、既に研究や教授陣との縁が切れることへの思いは吹っ切れました

          大学院生やってみた感想

          ランダム金カム(3) 〜梅ちゃん〜

          前回(2)〜カルチャーショックの連続を抱えたまま世界に出ていった〜 ※漫画の最終巻までのネタバレが含まれています 金カムの中で一番好きなキャラクターを聞かれると困ります。みんな素敵すぎて選べるわけがないでしょう。日や時によっても変わるし。でもどうだろう。一周回って杉元が一番好きかも。 筆者にとって誰が一番かなんてのは超どうでもいいことです。とはいえ、もちろん「金カムで好きなキャラクター」と言われて、あの膨大な数の登場人物全員の顔が浮かぶわけではありません。せいぜい10名

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          「アンパンマン」を見るたびに思い悩み続けてきたこと

          20年以上、考え続けていることがあります。四半世紀弱しか生きていないひよっこが何を言っているんだと思われるかもしれませんが、実際にそのぐらいの年月ずっと抱え続けてきた疑問です。 アンパンマンの分け与える顔の破片についてです。作画によって結構ブレがありますが、彼が差し出すそれは多くの場合半球に近い形をしています。これが不思議なのです。 アンパンマンの顔は、言ってみれば巨大な球体です。その中から彼が差し出すのは、外側から片手でむしり取った分だけで、顔の体積全体の5%未満なので

          「アンパンマン」を見るたびに思い悩み続けてきたこと

          「線は、僕を描く」感想とかyamaさんとか

          この半年ぐらい、歌手のyamaさんにはまっています。ライブもすでに2回行きました。単純に歌唱力が凄いのとか良い曲が多いのももちろんそうなんですが、声そのものになんともいえない魅力があって、すごく心を掴まれるなぁと思っています。 そのyamaさんが主題歌を担当しているという理由で、先日「線は、僕を描く」という映画を見に行きました。映画館の音響で聞いてみたいと思ったのです。 歌目当てで行ったので、内容については事前情報ほぼなしで、正直そこまで期待もしていませんでした。でも幸い

          「線は、僕を描く」感想とかyamaさんとか

          ランダム金カム(2) 〜カルチャーショックの連続を抱えたまま世界に出ていった〜

          前回(1)はこちら 日本の漫画やアニメが世界的な評価を受けるようになってはや数十年が経った現代。以前にも書きましたが、私は自国のポップカルチャーが海外でどういう風に受け取られているのかということに興味があるので、その事をよくネット上で探ります。ここ数年はコロナ禍の巣篭もり需要もあってか、今までアニメに触れてこなかった層で新たに参入するケースが増えているような印象を受けていたりします。現在放送中のものも含めた新しい作品だけでなく、過去に高い評価を得た有名作も色々と発掘されてい

          ランダム金カム(2) 〜カルチャーショックの連続を抱えたまま世界に出ていった〜

          音楽の話

          音楽の話をするのが苦手だ。 毎日聴いているのに。直感的には、むしろ大好きなのに。音楽の話を振られるたびに憂鬱だ。 なぜか。それは音楽の話題が、どうしても自分という要塞の向こうにいる人との会話になってしまうからだと思う。音楽は世界中の人と人を結ぶと言われているけれど、本当は人との間に壁を作るものでもあると思う。何度試してみても、やはり音楽の話をした後、私は悲しい。悲しみがまた、己の要塞をより高く、強固にしてゆく。 音楽はまず、直感に訴えるものだ。言語化できないエモーション

          音楽の話

          独学の方が語学の読解テキストを安く仕入れる方法

          「語学に万能薬はない」が持論です。 現役の文系大学院生として、今まで必要に駆られたり単なる興味に駆られたりしながら、10以上の言語を学習してきました。その中で、今日に至るまで一度もブレることのなかった確信の一つが、上の一言に詰まっています。 そのため、この記事は誰にとっても等しく効果的な学習方法について述べるものではありません。加えて、当記事は中〜上級レベルの読解テキストをとにかく安く仕入れることにのみ言及しておりますので、その質や正確性については保証しません。まずは以上の

          独学の方が語学の読解テキストを安く仕入れる方法