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つつじいろ

今日は〈躑躅色/つつじいろ〉について。
JIS慣用色名によると「鮮やかな紫みの赤」


自分の背丈より少しだけ高い赤やピンクや白のトンネルは、鮮やかで華やかで眩しい。
私は目を細めてぐるりと見回す。
視界いっぱいに広がるつつじは、どこまでも続いていた。
ここを抜けたら違う世界に行けるのかも。
淡い期待に胸躍らせながら、私はゆっくりと歩いた。



いちばん古いつつじの花の記憶です。
幼い日、つつじが名所の公園に連れて行ってもらいました。
季節はゴールデンウィークの頃。
公園はお祭り期間でもあり、出店も多くありました。
人々は、つつじの根元にシートを敷いて花見を楽しんでいました。
花の美しい光景に、お酒や食べ物のにおいと喧噪も漏れなく付いてくる、そんな思い出です。

二十数年後にその公園を再訪しましたが、記憶にあるよりずっと整然としていました。
遊歩道から内側には立ち入れず、花見と称してシートを敷くこともできなくなっていました。
あの乱雑な雰囲気はいかにも“昭和”だったな、としみじみ。
けれど、パキッとした鮮やかなつつじの色は記憶のままでした。

今年もゴールデンウィークがやってきました。
あのつつじの公園も、訪れた人々の笑顔が満開なんだろうな。
そんなことを思いつつ、公園のホームぺージを覗いてみる今日なのでした。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。




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