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相手の声が聴こえないコーチング、やってみました。

コーチ仲間内で「相手の声が聴こえないコーチング」を試してみました!声に頼らず、非言語のシグナルだけでクライアントを導くこのチャレンジ、とても興味深かったです。


どのように進めたか

手順はこうです。まず、オンラインでコーチとクライアントが参加し、クライアントがテーマを普通に話します。その後、コーチがPCの音声を切って、クライアントの声が聴こえない状態にします。この状態でセッションを開始します。 クライアント側は通常通り音声も映像もオンにしてコーチの質問に答えますが、コーチはクライアントが話している内容をまったく理解できません。それでも、コーチは次の質問を続けていきます。

なぜこんなことを試したのか

この実践を行った理由は、コーチとして非言語のシグナルを理解・表現するスキルを強化するためです。コーチングでは、言語だけでなく非言語の世界にも情報が存在すると考え、それは理性が解釈する前の段階のものです。 プロセスワークの考え方では、シグナルは以下の4つの基本チャネルによって受け取ることができます。

  • 聴覚:ため息、拍手、声のトーン

  • 視覚:イメージ

  • 運動感覚:仕草、動き

  • 身体感覚:肌で感じられる感覚や症状

また、今回は説明を割愛しますが、関係や世界といった複合チャネルもあります。典型的なアプローチでは、クライアントの得意なチャネルをきっかけにそこにある情報を理解したり、表現しようとします。

実際にどんなことが起こったか

実際にどんなやりとりが行われたのでしょうか。 今回のクライアントのテーマは「やりたいことを見つけたい」でした。 次のような問いかけをしてみました。

  • 「あなたにとってやりたいことってどんなものでしょう?」

  • 「やりたいことを身体で表現してみると?」

  • 「それを3倍大袈裟にやってみてください。何を感じましたか?」

  • 「それを静かにやってみてください。何を感じましたか?」

  • 「今の状態を表現すると?」

  • 「今の状態からやりたい状態にするためにどんなことができそう?」

声は聞こえないのですが、表情や仕草を頼りにクライアントがどんな感情を抱いているように見えているかを伝えながら、クライアント自身の気づきを促しました。

実践してみた感想としては、声が聞こえないのでどうなるかと思いましたが、意外とコーチングがスムーズに進行しました。これはクライアントやテーマとの相性もあるかもしれませんが、言葉がなくてもクライアントは確かにシグナルを発信していることがわかり、それに着目してもらうことで新たな気づきが生まれるのだな、と感じました。 今回は言葉や声のトーンを認識できないため、いつも以上に表情や仕草に注意を払い、アンテナを張ることを心がけました。コーチングにおいてどの感覚を研ぎ澄ますか意識的にリソースを配分する感覚があるのですが、今回は特に視覚に集中するイメージです。 オンライン越しに相手の顔をここまで見たのは初めてかもしれません。それだけ普段は相手を見ていないのだな、いかに言葉に頼って物事を捉えているかを再認識しました。 さらに、音のない世界は孤独や不安が高まるので、コーチとしてのあり方も問われている感じがしました。

この練習方法はとても興味深いと感じました。もしこのアプローチに興味があれば、ぜひお声がけください。一緒に練習しましょう!

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