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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(11/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、11個目。

「素直な心」
素直な心とはどういう心であるのかといいますと、それは単に人にさからわず、従順であるというようなことだけではありません。むしろ本当の意味の素直さというものは、力強く、積極的な内容をもつものだと思います。
つまり、素直な心とは、私心なくくもりのない心というか、一つのことにとらわれずに、物事をあるがままに見ようとする心といえるでしょう。そういう心からは、物事の実相をつかむ力も生まれてくるのではないかと思うのです。
だから、素直な心というものは、真理をつかむ働きのある心だと思います。物事の真実を見きわめて、それに適応していく心だと思うのです。

松下幸之助 30の言葉

「素直である」というのは、総じて褒められる対象となる特徴ですよね。ここで創業者は”従順とは違う”と言ってます。さらには、それはもっと”力強く、積極的な内容をもつ”と。

これってバイアスの事かも知れないですね。私は「無知の知」という言葉が好きで、チームマネジメントでもいつも念頭に置く言葉の1つです。私が事業部にてカスタマイズソフトウェア開発部門のチームリーダーをしていた時期、後になって知ったのですが「鬼軍曹」と呼ばれていました(笑)それは、引き合い案件が来て受注したならば、それがどんなに難しくても現場で負けて帰ってくる=お客様が満足せず、その原因である不具合や課題に対して糸口を見つけられずに帰ってくる事を厳しく断じていた事が理由の1つかなと思います。それは要件定義書などに書かれている事が実現できているのであれば、ソフトウェア開発としてはOKなわけで、それがお客様にご満足いただけないのは営業のせいとかお客様が仕様をちゃんと理解していなかったとか言っちゃう事を厳しくたしなめていました。事業なのでそれはそれで理屈の立つ話なのですが、カスタマイズソフトウェア開発部門という事もあって、「なぜ、ご満足いただけなかったのか?」「何が要件から漏れていたのか?」を考える機会を損失して欲しくなかったというのがあります。でも、その当時の私はその業界を知っていて、お客様が欲しいものはこういうものであるという思い込みがあって、それを理解できなかったチームメンバーを厳しく責めていたのかも知れません。まさに、私が「無知の知」を理解していなかったんですね。

事業開発とか投資とかに自分のキャリアを移してからは、特にシリコンバレーに駐在して、その組織のCEOになってからは「鬼軍曹」どころかCEOのタイトルの意味をCrazy Entertainment OssanとかChotto Erai Ojisanとかだと言って、チームメンバーの多様な考えや意見が出る事に注力しました。その結果、日々みんなに「I disagree with you」と言われるようになりました。この時に「無知の知」の実践が始まった気がします。知らないと思っているからこそ、好奇心がわくし、他者の意見に耳を傾ける事ができる。「なんでそう思うんだろう?」とか「なんで意見が違うんだろう?」と思う事でその意見の相違自体ではなく、その背後にある理由とか理屈を理解する機会が増えました。

当時、シリコンバレーで多くの著名な方や経験豊富な方にお会いする機会があったのですが、その道のリーダーである人に共通しているのがとても謙虚で”聴く”能力にとても長けているという事です。たぶん、内容の99%は既知なんでしょうけど、残り1%の新規発見を求める事にとても熱心なんです。人は物知りになり、その道での経験が多くなるとどうしても「こうである」と決めつけがちですが、多くの変化が非連続的に起こる世の中においてそれは学びの機会を失う大きなリスクとなるのでしょうね。

創業者が言っている「素直さ」とはそういう事ではないかなと思うんです。自身がその分野において経験をすればするほど、新たな発見と言うのは相対的に少なくなるし、自身の知識や理解の成長は鈍化する。だからこそ、素直であり続ける事により、より良くするにはどうすればいいか?、もっとできるのではないか?と謙虚でいられる。

今回、この記事のサムネイル画像にヤマハ時代に行ったMOTOBOTプロジェクトで当時AmazonのCEOだったJeff Bezos主催のイベントAmazon MARSに招待された時のものを使いました。MOTOBOTプロジェクトについては、色々な側面や狙いがあって、一言では言い表しにくいですが、私個人としては「とろいとか保守的とか言われている日本企業もちょっと本気出せば、これくらいの事はできるんだ」という思いがあって、その結果として会社同士のトップ会談でも会えなかった人に会えるくらいの何かが実現できた事が今の自分の糧にもなってます。このプロジェクトをやる時に「素直な心」が無かったら、こういう結果にはなってなかっただろうなと思います。ロボットが本質的にどう人や社会に貢献するのか?を考えつくした結果としての「3年以内に人型ロボットが無改造の市販モーターサイクルを自動運転して、サーキットでプロのライダーにラップタイムで勝てるか?」というプロジェクトだったからです。当時は特化超越という言葉をよく使っていて、それはロボットって色々できるって言われてるけど、本質的にはある用途に特化する事で人を超越する能力を発揮するのがロボットなのではないか?というメッセージの発信です。世の中に多くある優秀なロボットや技術ではなく、サーキットしか走れないし歩けないし目もない(カメラ無し)ロボットの意味がJeff Bezosの関心を引いたと後で知る事になりました。今起きている「これが定石」という事をただ超える事やるのではなく、本質は何か?訴えたい事は何か?にこだわってこれからもやっていきたいなって思います。

これからやっていく事を今週カリフォルニアで行われたイベントで紹介したので少しだけ。これも「素直な心」でやっていきます♪

次回は、「衆知を集める」を消化してみます♪
では、また~

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