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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(15/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、15個目。

「自修自得」
たとえば経営学というものをとってみよう。経営学は人から教わったり、本で学んだりすることができる。しかし、万巻の経営学の本を読んだからといって、それで経営というか、仕事が完全にできるというものではない。それはいろいろな面で参考になるかもしれない。しかし生きた経営なり仕事というものは教えるに教えられない、習うに習えない、ただみずから創意工夫をこらしてはじめて会得できるものである。
その自得するという心がまえなしに、教わった通り、本で読んだ通りにやったとしても、一応のことはできるかもしれないが、本当のプロにはなれないと思う。自得していこうという前提に立って、はじめてもろもろの知識も生かされ、人の教えも役に立つわけである。

松下幸之助 30の言葉

「自修自得」という言葉は今回初めて知りました。が、内容的には事業に携わる人にはもちろん研究者や学者にも通ずるものがありますね。
先人の方やその道のエキスパートが書いた本や講演内容はもちろん示唆に富むものが多いですし、そこから学ぶものは大きいですがそれは知識として蓄積され、それを使って価値にする場が無ければただの知識で終わります。また、習ったことや書いてあることを真似て実行しただけだとその行動によって生まれる新たな知も少なくなります。それが故に本当のプロとは学び、修める事ができるものはできるだけそれを行い、その上で自らそれらの知識を束ね、その状況でどうそれらを活かすかを考えて行動する事、そしてその行動からの学びを自分のみならず他者の知識に資するよう共有する人であるという事ですね。

例えば、これ。

シリコンバレーにおける日本企業のイノベーション活動におけるワーストプラクティスについて櫛田先生が素晴らしいまとめをされてます(=知識)が、「じゃあどうすればいいか?」は書かれていません。いずれにしてもやってはいけないこと=ワーストプラクティスは言えても、やるべきこと=ベストプラクティスは言えないというか言わないんですね。なぜなら、それはプロとして考えて行動するべきことだからです。逆に「こうすればいい」なんて言ってる人がいたらそれこそそれを信用することは大きなリスクでしょうね。それくらいいかなる事業においても万能な成功方法ってないんですよね。

一方で色々な事を知って修めておくことにはもちろん価値があります。実践における選択肢が増える=組み合わせの数が増えるので、多様な状況に対して柔軟に対応できる可能性が増えますね。ここで大事なのが、「修める」ことですね。私の経験上、知ってる、理解している、だけだと有効に使えないことが多いです。咀嚼しているかどうか、自分事にできているかどうかがカギになりますね。これは難しい事なのですが、やはり実践によって促進されることが多いと思います。知った事や学んだ事を意図的に実践の場で使ってみる。で、それがどう機能したか?しなかったか?その新たな知識が自分の思考や行動にどう影響したか?などを理解することでだんだんと自分で”使える”ものになっていきます。

「守破離」などもこのことを表現するいい言葉ではないですかね?

守:(過去や他から)学ぶこと
破:(自らの中に)修めること
離:(行動して)創ること
みたいに考えられます。私がここ10年ほど従事している新事業開発においてはこの”離”にどれだけの時間とエネルギーを使えるか?が成果につながる一番大きな部分ですが、守に忙殺されている人が多いのが現実かな?と思いますね。守はAIの進化で相当な効率で実行できるようになるでしょうし、そもそも学ばなくてよくなるものも増えると思います。人は破と離により集中して新たな価値創造を高速に、かつ多様にやっていく時代になりそうですね。

次回は、「道」を消化してみます♪
では、また~

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