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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(1/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、1つ目。

お客様大事
商売というものは、形の上だけで見れば、品物を売って代金をいただくということですが、それでは自動販売機と変わりません。そこにやはり買っていただいてありがたい、という感謝の気持ち、お客様が大事、といった気持ちを持つことが、商売本来のあり方だと思います。
よく昔の商人は「お客様の家のほうには足を向けて寝ない」というほどの感謝の気持ちで客に接したといいます。そうすると、そういうものがおのずと客にも伝わり、同じ品物でもあの店で買おうということになって、両者の心が通い、社会全体が潤いのあるものになってきます。私は商売にも“物心一如”ということがきわめて大切だと思うのです。

松下幸之助 30の言葉@パナソニックミュージアム

「お客様大事」って言葉をそのままだと、あんまり反対する人はいないだろうし、特に日本だと「お客様は神様です」を地で行く事業家の方も多くいるし、腹落ちしやすい言葉でしょう。そこに1つ「なぜ?」という質問を投げると深みと幅が出てきそうな気がする。

「なぜ、お客様は大事なのですか?」

また、「大事」という言葉も多様性を持つ概念かも知れない。「大事にする」とはどういう事か?大事だとどうするのか?

「大事にするとはどういう事ですか?」

創業者は、商売という無機質でもいい行為に心・感謝という有機的なものが通う事、そしてそれが社会全体に広がる事で起こる感謝とケアの循環による人々の暮らしの繁栄を言ってるように思います。

あれ?これって最近似たような議論があったような・・・。「AIと人」の話ですね。どんどんAIが進化すると(現在の資本主義・経済合理性に照らすと)付加価値が小さい仕事はどんどんAIに置き換えようっていう話と、人間本来の仕事は人間がやるべきだみたいな話ですね。
例えば、これとか。

では、私の考えを。
ここ数年特に強く思い始めているのが、「行き過ぎた資本主義のもたらした副作用的害悪」っていう事なんですが、この副作用的害悪の1つで私が個人的にすごく興味を持っているのが、「Sense of Ownershipの喪失」です。適切な日本語表現がわからないのでSense of Ownershipって書いてますけど、当事者意識とか自分事が近いですかね。我々は誰か知らない人が知らない場所で知らない方法で生産・製造している物を日々消費して生活の質を維持・向上して、幸せを享受しています。
それは主に経済的合理性に基づいたコストパフォーマンスみたいな判断指標で消費や購買の判断をする事を繰り返した結果ではないかと思うのです。製造者は同機能同性能の材料を1円でも安ければ地球の裏側から持ってきて、少しでもコストを下げたいと日々努力していますし、消費者も1km先のスーパーで買う野菜が10円安ければそこまで行くのです。その消費者の嗜好が企業のマーケティングに影響し、またさらにその嗜好に合致する商品やサービスが生まれる。
でも、その1円安い材料は劣悪な労働の賜物だったとしたら?その10円安い野菜の生産方法に地球に対して過度な負荷を与える方法が含まれていたら?もし、それを購入前に知れば判断が変わるかも知れない。でも、それは見えない。わからない。それを長く続けてきた事で知らないうちにどこかの誰かに、地球に、過度に依存・甘えてきたのではないか?
我々は日々行ういくつもの消費行動に関する判断・選択にどれだけ「納得感」を持てているでしょう?「満足感」ではなく、「納得感」です。この話はまたどこかで詳しく。

私は子供の頃、両親に厳しく「ご飯を一粒も残さず食べる事」を躾けられました。それは「米一粒作る為にどれだけの苦労と努力があったか?」を“思う“事で生まれる“ありがたい“という感謝の気持ちを持つ事だったと思うのです。

今、我々は高品質で高機能・高性能な製品を安くいつでも買える事に“感謝”できてますかね?

さて、「お客様大事」とはどういう事か?私は、
“価値を巡らせる経済活動において、価値の流れの中で自分の上流と下流にいる相手にとって大事な事は何か?を思う事“
だと思います。

一例は、私が電子部品の表面実装機事業のソリューションエンジニアだった時、ある大口受注が見込めるお客様の引き合いで競合他社の製品をお勧めした事があります。お客様も当社の製品に期待してくれていたのですが、そのお客様の要件を聞けば聞くほど、当社の製品(変種変量)ではなく競合他社の製品(量的能力重視)の方がFITすると思ったんです。で、とうとう「当社の製品ではなく、競合の製品を買ってください。その方がお客様の成したいことに合致しますよ」とまぁ当社営業からすると「お前何言うとんや!?」ってキレるくらいのコメントをしちゃったんですよね。お客様も「え!?」ってビックリされてましたね。でも、イヤだったんですよ。他にもっといい物があるのを知ってるのに、そうじゃない物を利己的理由で買ってもらうのが。
仮に当時の私に製品コンセプトや人的資源配分の決定権限があったら違ったかも知れません。「買ってください、必ず満足してもらえる物に仕上げます!」って言えたかも。結果、その案件は競合に持っていかれたんですが、それにより生まれた信頼関係でその後の変種変量ライン案件はずっと当社にしてもらえました。今思えば、お客様にとって大事な事は何か?を考えた結果かも知れません。

次回は、「成功するまで続ける」を消化してみようと思います。ではまた〜♪

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