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『デストイレ2』復讐の便器 倍速では足りぬ

ネタバレあり。

2023年10月、アマゾンプライムにて鑑賞。

映画の倍速視聴やファスト映画問題が叫ばれる昨今に
1石を投じる一作、『デストイレ』。その続編である。

本作は約54分と映画にしては短い作品だが、体感時間が3時間ほどに
感じる大変お得な作品である。

今回『デストイレII』は、レース場から始まる。

前作で大便器から出現するトイレの悪霊を退治した
元退役軍人のブレッド。現在はその経験(運転技術)を活かし、F1レーサーに転身し各地を巡る・・・と作品概要のあらすじは書いてある。

しかし劇中ではF1レースを眺めて各地を巡っていると説明されいるので、どう見てもレーサーではなく、ただのF1ファンである。

だがそんなことはどうでも良いのだ。
何しろ、F1レースのくだりは本筋とは無関係なのだから。

伏線、とい言葉を以前辞書で引いた時に
「後べで述べることのために、あらかじめほのめかしておく話の筋」
と書いてあったことを思い出した。

F1レーサーであることが、今回の便器との対決の鍵になる。
見ていた時は、私もそう思っていた。

ひょとしたら、便器に向かって叫ぶ新しいギミックがあるかもしれない
F1レーサー特有の動体視力の良さで、便器(の中にいる悪霊)に一矢報いるかもしれない。

そんな希望を、抱いていた。

だが今回も基本的な流れは全く同じ。主人公のブレッドが、悪霊退治のため
相棒の神父と一緒に大便器の前で騒ぐ。とにかく騒ぐ。前回よりも派手目に騒ぐだけ。

子供相撲のような取っ組み合い、前後を見逃したと勘違いしてしまうほどの
粗いカット割り。

このあたりの手腕は前作に引き続き、さすがの一言。
人生で、これほど長く大便器を見つめていたことがあっただろうか。

あまりにも長くトイレを眺めていると馴染んでくるもので、自分はいま帰省して実家の
トイレにいるのではないかと錯覚するほどである。

伏線も何も関係なし。あらすじも、前ふりも、設定も、余計なことは微塵も感じさせない。全てを水に流す、トイレとのバトル。

みなさんもぜひ、アマゾンプライムで。

余談だが、本作はアマゾンプライムでの視聴履歴が21人となっている。
21人もこれを見た人がいることに驚きつつ、残りの『デストイレⅢ』
と『デストイレFAINAL』も視聴してくれることを祈って、本稿を終わりとしたい。



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