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川崎戦・ガンバ戦を終えての雑感


今回は2試合まとめて書いていきます。
正直あまりポジティブな内容ではないです。
最後の方はダービーに勝てなかった悔しさから愚痴ばかりです…


第5節 vs川崎フロンターレ

この試合で特徴的だったのは川崎のプレスの掛け方。敢えてセレッソのCBにはあまりプレッシャーに行かず、ボールを持たせてきました。
この狙いはおそらくジンヒョンからのフィードを封殺すること。そもそもジンヒョンにボールが行かない状況にすることで、GKからのフィードでひっくり返される事態を未然に防いでいました。

これに対してセレッソは徳真が最終ラインに落ちて3バック化するなど陣形を動かして事態の打開を図りますが、なかなか侵入回数を増やすことはできていなかったと思います。

そんなときに違いを生むのはやはり左サイド。真司・為田・山中のローテーションで山中を大外でフリーにして、そこから良質なクロスを供給することでチャンスを作っていました。
あとは決めていれば…というところでした。

一方でフロンターレも左サイドの登里・マルシーニョを中心にセレッソの右サイドを動かして攻撃をしてきましたが、こちらも途中までは攻めて来れるけどなかなか決定機とはならず。
強いときのフロンターレならファイナルサードまで運んだらあとはどうにでも崩せていたけど、怪我人の多さや海外流出の多さもあって、同じことをするには難しい状況なんでしょう。

結局、両者共に決定力を欠いてスコアレスドロー。
セレッソはPKを見逃され、フロンターレは完全な誤審でゴール一つ損しているので、お互いに不完全燃焼な試合だったと思います。

この誤審、またジャッジリプレイにおける取り上げられ方、槙野氏・家本氏の発言について話し始めると長くなるので割愛しますw

ルヴァンGL第2節 vsガンバ

で、中1週間空いてルヴァンの大阪ダービー。
またしても雨。そして冷えた。とても3月末の寒さじゃない…

セレッソはU-21枠として颯太を起用した以外はリーグ戦のメンバー。対するガンバは負傷の宇佐美が欠場、他にも代表招集選手が複数いて、リーグ戦と比べ大幅にメンバー変更をしてきました。

ガンバはかなり変わった印象。ちょっとここ2年くらいかなりテキトーなサッカーをしていて全然手強さは感じなかったけど、さすがにポヤトスが来たので大きく変わったなと。監督の腕は間違いないので、あとは選手がどれだけ順応できるか、でしょうか。

試合は正直物足りない、ダービーじゃなければ眠くなるような試合だったと思います。
まずセレッソ。こちらはもう毎試合そうですけど、全く運べない。サイド攻撃をしたいので左右に散らすものの、右で詰まっては左に展開→左でも詰まって右へ展開、の連続。その途中でミスが出て奪われたら極めて危険な形でショートカウンターを浴びる。
ただここで帰陣の早さと、最後体を張るところ、ブロックの強度はなかなか良いものがあるので、失点とまではいかない。

相手の石毛は徳真に対してほぼマンツーマン。そして石毛の脇でボールを受ける選手対してはIHが出ていく。なのでサイドを変えるときも各駅停車になりがちで相手のスライドが間に合っており、なかなかこのビルドアップで打開を図るのは難しいのかなと感じました。

ただ先ほども言ったようにプレーの強度は高いので大崩れはしない。日を追うごとに脳筋なチームになってきた印象です。

チャンスがあるとすればガンバの不安定なビルドアップを引っ掛けてのショートカウンター。
ここだけは可能性を感じました。が、これだけというのは辛いものがある。

セレッソとガンバの立ち位置

この試合、セレッソもガンバも内容的には厳しいものだったとは思います。セレッソもなかなか打開できずにもがき苦しみましたが、ガンバもミスは目立ちました。
しかしそれぞれのチームが立たされている状況が全く違います。

まずガンバ。
失礼ながらこのダービーの対戦相手を逐一追ってるわけではないので、的外れなことを書いているかもしれません。
先述したようにガンバはここ2年、かなりテキトーなチーム作りしかしておらず、特に昨年は片野坂監督の下で失敗したあと松田監督の下でとにかく守備に比重を置いたサッカーをしてとりあえず残留だけ成し遂げるという、かなりお粗末なシーズンを過ごしたと思います。
今年はポヤトス新監督を迎え外国籍選手も入れ替え、昨季とは違うメンバー・違う並び・違う戦い方に取り組んでいる。その最中。そして試合の中でもその片鱗はかなり見せています。
特に印象的だったのは左のIH。このポジションはかなり自由を与えられているのかな?と思いました(違っていたらごめんなさい)
だからここは石毛であり、ファンアラーノであり、そして宇佐美なんだと。この試合は石毛→ファンアラーノでしたが、ここに宇佐美が入っている姿も容易に想像できました。誰が入っても(多少変わっても)大きく変わることはないチーム作りをしているんだなと感じます。
ここはセレッソとの大きな違いですね。セレッソは開幕前、左IHは清武しかおらず、今は真司しかいません。途中交代で上門が出てくると全く違うチームになる。かといって上門以外の交代要員もいない。そこの差はとてつもなく大きい。

ガンバもまだ未完成なのでパスミスは多いし、なぜかお見合いが非常に多いんですよね。毎熊のゴールはそこに上手くつけ込む形でした。しかし、ミスの多さは昨季とのギャップがあまりにも大きいが故に起きるものだと思うので、この先チーム作りが進んでいけば、ああいった致命的なミスも減るのではないでしょうか。
一方でポヤトス監督らしいオートマチックなビルドアップは垣間見ることが出来ていたとおもいます。
そういう意味でガンバには伸び代を感じた次第です。不本意ながら。

対するセレッソ。
こちらはむしろ、過去に出来ていたことが出来なくなってきている。そして出来ないことは出来ないまま。ここに危機感を覚えます。

まずビルドアップ。ビルドアップからのサイド攻撃をしたいのは分かりますが、じゃあ具体的にピッチのどこに、誰に、どういった形でボールを届けるのが正解なのか?が見えてこない。
ボールを送り届けたいスペース(もしくは人)があって、そのスペース(人)を空けるために全員が立ち位置を調整したり、ボールの動かし方を変えたり…ということが出来ていない。ただボールが右左に動くだけ。それも相手のスライドは間に合っている状態。

辛うじて、真司・為田・山中の左サイドは上手くローテーションして山中をフリーにさせることは出来ている場面もあります。
しかし結局それもこの3人がいるからこそで、真司→上門へと交代するとそういった形は一切なくなる。この日はスタメンが為田ではなく颯太でしたが、ここが変わってもやはり同じことは出来なくなる。
先ほど、ガンバは石毛だろうがファンアラーノだろうが宇佐美だろうが同じ並びで似たようなことをしてきたのとは、対照的です。

昨季の前半戦までは相手のどこが空いてるかを探りながらビルドアップ出来ていたんですけどね。完全に出来なくなりました。

アディショナルタイムの失点癖を考える

一方でプレー強度は高いので大崩れはあまりしません。この日のダービーも、局面で見たらセレッソの選手が勝利している場面が多いと感じました。
今のセレッソを支えているのはこの「強度」です。しかし言い方を変えると、強度「しか」ない。

試合終盤、この強度は必ず落ちます。
特にセレッソは90分通して緩めることなく強度高くプレーをしています。なのでその落ち方も大きい。そしてその唯一の強みと言ってもいい強度に綻びが出たとき、他チームに比べてものの見事に崩れてしまう。
それは強度以外に拠り所がないからではないでしょうか。
強度のみが持ち味なのにも関わらず、90分通して強度を維持する工夫はしない。それも毎試合です。毎試合しない。だから同じことを繰り返す。

もちろん正解は分かりません。ただ、特に要求が厳しく終盤最も辛いであろうボランチの選手は、途中交代させることも視野に入れるべきではないか。
もしくはボランチが動きすぎるが故に消耗してしまうので、もっと守る範囲を狭めるべきではないか。
この日のアディショナルタイム、奥埜と徳真の疲弊具合は正直見ていられませんでした。全然スライドが間に合わないので、いいようにボコられていました。

もちろん、ボランチを交代させることだけが正解ではないし、それはそれで新たな問題点も出てくるはずです。
あと決して試合のどこかで強度を落とせと言ってるわけではありません。そんなことしたら間違いなく失点は増えるだけなので。

しかし同点の最終盤に進藤を投入して尚且つ交代枠を余らせるくらいなら、もう少し何か手の打ちようはあったのではないか?と思わざるを得ないです。

何度も言いますが同じことを繰り返しているのに、なぜ何の工夫も対策もしないのか。この点に関してはかなり疑問です。

出来上がった脳筋セレッソ

これらのことから私はセレッソがかなり「脳筋」なチームになっていると感じています。戦い方も脳筋そのもの。
あまり試合運びに工夫を感じないんですよね。もちろん真司のように、個人の閃きで工夫をしてるように見える選手もいるんですが、あくまでも個人のアドリブに過ぎないというか。

小菊さんは「ハードワーク」と「アグレッシブ」を求めているのでこういう形に行き着いたのだとは思いますが、現状かなり行き詰まっている印象です。行き詰まったのなら何かしら修正したり変えたりしてほしいんですけど、それも見られないのが余計に苦しいところです。
(よく言う3つ目の「絆」は何のことかよく分からないのでスルーします笑)

もちろん、強度の高さで押し切れる試合も出てくるでしょう。しかしそれ以上の伸び代はあまり感じません。
ガンバとは真逆です。

研究され、対策されているのに何も手が打てない現状に、少し「限界」のようなものが見えてきている気がします。

最後になりますがこの試合はなかなかポジティブにならない内容で、GWでのリーグ戦はもっと差がついていても、おかしくはない。そう感じた一戦でした。
ネガティブな言い方ばかりしてしまったことどうかお許しください。

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