痛い虫歯・痛くない虫歯

「仕事が忙しくて歯医者に全然いけてないけど、別に痛みとかもないし、もう少し仕事が落ち着いてから行こ!」

こういう方、多いのではないでしょうか?
実はその考え、とっても危険なんです😱

「虫歯=痛い」と捉えがちですが、実は痛みを感じない虫歯も存在するんです🦠

初診でいらっしゃる患者さんにも、何気なく来た検診で虫歯が見つかり、「全然気づきませんでした!」という方、多いんですよ。

どうしてそのようなことがあるのかというと、歯の構造が関係します。


歯の構造

このように、歯というのは3層構造になっています。

エナメル質
歯の一番外側を覆っており、目に見えるている表面の堅い層。
人体の中で最も固い組織といわれている。

象牙質
エナメル質の内側にある、歯の本体を形作っている部分。
エナメル質よりも溶けやすく、酸に弱い組織。

歯髄
神経や血管を含む組織。

このエナメル質・象牙質・歯髄のうち、どこにまで虫歯が進行しているのかで、痛みの出かたが変わってきます。


虫歯の進行

CO(シーオー)・・・初期う蝕

歯の表面に穴は開いていない状態で無症状。
予防処置で経過を見ていくことが多い。

 C1(シーワン)・・・エナメル質にとどまっている虫歯


歯の表面に若干穴は開いているが、ほぼ無症状。


C2(シーツー)・・・象牙質にまで侵食している虫歯

歯の一部分に穴が開いていることが多く、冷たい・甘いものでしみやすい。

 

C3(シースリー)・・・歯髄にまで侵食している虫歯

歯の部分的な欠損が大きく、虫歯の中でも最も痛みが強い状態。
場合によっては眠れないほどの痛みがあり、鎮痛剤が必要になることも。


C4(シーフォー)・・・歯冠がほぼ崩壊した虫歯

歯髄が完全に死んでしまい、痛みがない状態。
歯冠もほぼ崩壊しているので、見た目は歯がないように見えるが、歯茎の中に歯根は残っている。

※歯冠・・・歯の歯肉より露出している部分のこと

このように虫歯の進行状態によって、痛みの感じ方が変わってきます。


 痛みの感じ方はひとそれぞれ

検診に来て「虫歯がありますよ」と言われてびっくりするのは、C1~C2程度の状態です。

C2も「なんかしみるけど、知覚過敏かな?」程度の方もいらっしゃるので、気づいていないことがほとんどです。

C3になってようやく「明らかにおかしい」と危機感を感じ、歯医者に駆け込む方が多いのです。

たまに「一か月前は激痛だったんですけど、今は全然痛くないんですよね」という方がいらっしゃいますが、それは治ったわけではなく、
・一時的に炎症が落ち着いている
・神経が死んでしまった
のどちらかの可能性があります。

どちらにしても処置をしていかないと、痛みが再発したり、歯根の先に膿がたまって歯茎が腫れてきたりするので、放っておかずに歯医者へ行きましょう🏃🏻


予防は歯石を取るだけではない

このように自覚症状だけを頼りにしていると想像以上に痛い思いをしたり、手遅れになる可能性もあります。

歯医者への定期的な予防処置(一般的には定期健診・メンテナンス)は、単純に歯石をとっているだけではなく、皆さんでは気づけない異常を歯科衛生士さん・ドクターが見つけてくれます。

歯医者にもよりますが、私の勤めている歯科では2~3か月に1回通っていただいています。長くても半年に一回は通ったほうがいいそうです。

これは美容院に行くのと同じペースか、むしろ少ないくらいではないでしょうか?(もちろん個人差はありますが)

辛い思いをする前に、ぜひ歯医者へ行ってみてください🦷

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