男性育休の不安「会社に男性育休の制度がない」
男性育休の不安として、所属している会社に男性の育休に関する就業規則がないというものがあります。しかし、会社に育休に関する就業規則がなくても、育児・介護休業法で保障されているので問題はありません。厚生労働省HP「育児・介護休業法のあらまし」には以下のような記載があります[1]。
Ⅱ-3 事業主の義務 (第6条第1項、第2項)
事業主は、要件を満たした労働者の育児休業の申出を拒む事はできません。ただし、次のような労働者について育児休業をすることができないこととする労使協定があるときは、事業主は育児休業の申出を拒むことができ、拒まれた労働者は育児休業をすることができません。
① その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者[2]
② その他育児休業をすることができないとすることについて合理的な理由があると認められる労働者
このように、条件に当てはまる労働者は皆育児休業を取得できるため、該当する就業規則がないからといって、育休を諦める必要はないのです。
また、たとえ法律で認められていても、働いていないのに企業から給付金をもらうのは申し訳ないという気持ちが生じる従業員もいるかもしれません。しかし、給付金は企業が支払うのではなく、社会保険のうちの一つである雇用保険から支払われます。
また、企業側も育休期間中は対象者に給料を支払う必要がないため、人件費が少なくなるというメリットもあります。したがって、勤めている企業に育休制度がない場合も、法律で認められている事と、企業側のメリットを説明する事が、企業を説得するのに有効だと考えられます。これらの知識・情報を積極的に共有していけば、男性従業員の育休取得促進につながります。
[1] 厚生労働省HP「育児・介護休業法のあらまし」https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355360.pdf
[2] 有期契約の非正規労働者は雇用期間が1年以上なければ育休を取得できない要件はなくす予定。(2021年1月28日 日本経済新聞 朝刊 経済面「男性育休を周知 来年4月義務に 厚労省、企業に取得促す」)
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