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話題の生成AIに百人一首の情景をイメージしてもらったら意外といけた


百人一首のイメージを作るきっかけ

こんにちわ!
普段はスーパーの物流部門に勤務している人です。

最近、小学生の娘が学校で百人一首をしています。大会もあるので家で練習に駆り出されるのですが結果はボロ負け・・・昔はもう少し句を覚えていたんですが。(何年前の話やねん)

ということで、あるかないかわからない威厳を保つため、久しぶりに百人一首を覚えようとしています。大人になったからか句の意味を知りたいなと意味も調べているのですが、「この句が意味する情景はどんな感じかな」と想像するようになりました。

もちろん想像は頭の中でするものですが、想像力に乏しい私はぼんやりとしたイメージしか持てません。そこで、「今流行りの生成AIに百人一首の情景を具現化してもらおう」と考え実際にいくつかを具現化してもらったのでご紹介します。

これはいらすとやさんです

今回使用させて頂いたAIツール

今回は、Leonardo.aiという無料ツールを使って画像生成を行っています。制限はありますが、基本的に無料で画像生成ができるツールです。それにしてもここ1年の生成AIの広がりは凄まじいですね。

↓↓Leonardo.aiについてはこちらの記事を参考にさせて頂きました。

生成AIで画像を描いてもらう

とグダグダ書いても仕方ないので早速具現化してもらいましょう!
ちなみに今回使用させて頂いたLeonardo.aiは日本語のプロンプトだとうまく画像を作れないので、英語のプロンプトで作成しています。(プロンプトというか英訳の貼り付けです。もちろん、英語は話せませんのでGoogle翻訳に頑張ってもらいます。)

奧山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき

猿丸太夫『古今集』英語へ直訳
奧山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき
It’s time to step on the autumn leaves in the mountains and hear the snarling deer.Autumn is sad.
おおっ!それっぽい!

一句目はこちらです。いきなりそれっぽい画像が生成されました!
まあ、日本語としてもわかりやすい句なので作りやすいのかもしれませんね。でもこの出来栄えなら他の句も期待できそうです。


続いては小野小町さんの有名な一句から

花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

小野小町『古今集』英語へ直訳
花の色は移りにけりないたづらにわが身よにふるながめせしまに
The color of the flowers never changes,and the colors of the flowers change my life.
色とりどりのきれいな花です

おっと、百人一首の句をそのまま訳しただけだからか、ただのあざやかな花になってしまいました。花は花できれいですが、求めていたものとは少しばかり違います。次は、句の現代語訳をプロンプトとして入力してみます。

小野小町『古今集』現代語訳を英訳
花の色は衰えてしまったなあ。私がこの世でむなしく過ごしている間に、という訳ではないけれど、降り続く長雨をぼんやりと見ながら物思いにふける間に。日本の平安時代の物語。
The color of the flower has faded.Not while I was wasting my time in this world,but while I was lost in thought while staring blankly at the continuous rain.Storis from japan's Heian period.
傘がどうなっているのかは別としてどことなく風情があります

おおっ!美麗な感じに仕上がりました!!どことなくもの悲しさを感じる雰囲気もあっていい感じです。ちなみに百人一首の意味のあとに「日本の平安時代の物語」という言葉を付け足していますので、それが着物(袴?)に繋がったのかもしれません。


それではサクサク行きましょう。次は個人的にはそのままでもわかりやすいイメージかな~という句です。

あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む

柿本人麿『拾遺集』英語へ直訳
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む
The tail of a mountain bird swaying through the long night,sleeping alone.
ロッキー山脈っぽいのが見えます

う~ん、まあまあ??画像自体はきれいなのですが、思ってた百人一首の情景とは違います。山鳥の尾が長くないし、日本ぽくないし。そこで英訳の最後に「In Japan」と加えてみます。

柿本人麿『拾遺集』直訳+In Japan
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む。日本で
The tail of a mountain bird swaying through the long night,sleeping alone.In Japan.
場所は不明だが、日本ぽくなった

おおっ!!山が富士山っぽくなってていい感じ?と思いきや、中央でやんごとなき御仁が白い怪鳥とじゃれあっているようです。あまり、句の雰囲気とは合いませんが、仲良しなのはいいことなので良しとしましょう!!あとは、御仁の長い夜が永遠の夜にならないことを祈るのみですね。

それにしても、絵なのか写真なのかわからないぐらい美麗な画像が続きます。私は全く絵心がないのですが、生成AIにお願いすれば何でも描けそうです。


個人的に楽しくなってきたのでどんどん描いていきます。(AIが)わかりやすそうな句が良さそうなので、次はこの句です。

みかきもり衛士のたく火の夜は燃え昼は消えつつ物をこそ思へ

大中臣能宣『詞花集』英語へ直訳
みかきもり衛士のたく火の夜は燃え昼は消えつつ物をこそ思へ
Mikamori Tha guard's fire burns at night and disappears during the day,making me think of things.
なんかかっこいい!!

直訳?でもなんかかっこいい感じに仕上がりました!!ちょっと火が大きい気はしますが、それはそれで雰囲気がでていい感じです。直訳でこれだけいけるのなら、現代語訳で描けばもっといい感じに仕上がりそうな気がします!とりあえずやってみましょう!!

大中臣能宣『詞花集』現代語訳を英訳
禁中の御垣を守る衛士のかがり火は、夜は赤々と燃えているが、昼間は消えるようになって、まるで(夜は情熱に燃え昼間は思い悩んでいる)私の恋の苦しみのようではないか
The bonfires of the guards guarding the fobidden walls burn red at night,but go out during the day,just like the pain of my love(burning with passion at night and worrying during the day).Isn't it like that?
やっちゃった。

・・・・・完全に燃えてます。やっぱり一枚目の火がちょっと大きかったですかね。衛士が一人増えて、服も着替えて諦めモードに入っています。現代語訳の「夜は情熱に燃え」がまずかったのでしょうか。一枚目の仕上がりが良かったので、二枚目は忘れましょう。冬は乾燥するので火の始末にはご用心下さい。


生成AIは時としてやりすぎちゃうこともあるようです。やはり使う側の人間がしっかりと制御しなきゃですね。

それにしても今回は百人一首の「情景」を表現してもらいたい!っと思っているのに、なかなか心の表現は難しいようです。そこで、もっと直接的に悲しそうな句を選びます。

あわれともいうべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな

謙徳公『捨遺集』英語へ直訳
あわれともいうべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな
People who should be ashamed of themselves should not become troubled by their thoughts.
なぁぜなぁぜ

生成AIくんが急におかしなことになってしまいました。❤が2つ付いてるから、そこで情景を表しているんでしょうね。そう考えると逆に人類が到達できない域にまで表現を昇華したのかもしれません。とはいえ、今の私たちにもわかる表現にしてほしい!現代語訳とGoogle翻訳でチャレンジします。

謙徳公『拾遺集』現代語訳を英訳
(あなたに見捨てられた)私を哀れだと同情を向けてくれそうな人も今はいように思えません。(このままあなたを恋しながら)自分の身がむなしく消えていく日を、どうすることもできずただ待っている私なのです。
 (I was abandoned by you)I don't think there's anyone out there who would sympathize with me and think I'm pathetic.I am helplessly waiting for the day when I will disappear into vain(while still in love with you)
人生はあなたが思うほど悪くない

ほんとにあわれな感じになりました。さっきは生成AIくんが壊れたかと思いましたが、それはあわれな画像に対する「やさしさ」だったようです。人間なのにその辺を汲んであげれなくてごめんなさい。ここはそっとスルーするのが人間の「やさしさ」ですね。


気を取り直して、最後に競技カルタブームを生んだあの漫画の代表的な句を描いてみます。今回は尺の都合で現代語訳からスタートします。

ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは

在原業平朝臣『古今集』現代語訳の英訳
神代の時代の昔にも聞いたことがない。竜田川の流れを深紅にくくり染めにするとは。
I've never heard of it since ancient times.The flow of the Tatsuta River dyed deep red.
上流から何かアカンやつを流しているようです

そんなに変な訳じゃない気もしますが、Tatsuta River is dyed deep red(竜田川が深紅に染まる)が悪いんでしょうね。やはりAIは何がいい、何が悪いという区別がつかないので、もっと詳細なプロンプトが必要なんでしょう。(今さら)ということでもっと丁寧な現代語訳です。

在原業平朝臣『古今集』もっと詳細な現代語訳
(川面に紅葉が流れていますが)神代の時代にさえこんなことは聞いたことがありません。竜田川一面に紅葉が散りしいて、流れる水を鮮やかな紅の色に染め上げるなどということは。
 (Altjpigh autumn leaves are flowing on the river surface)I have never heard of such a thing even in the age og the gods.Autumn leaves are scattered all over the Tatsuta RIver,dyeing the flowing water a bright red color. 
かなりよくなりました!

これはかなりイメージ通りになったのではないでしょうか!竜田川かどうかは別としてとてもきれいな景色だと思います。

生成AIで画像を描いてみて

今回、初めて生成AIを使って画像を描いてみましたが、思っていた以上に簡単に、そして美麗な画像を描いてくれるように思いました。今回はあえて百人一首の句そのままの英訳ををプロンプトに入れたり、現代語訳した後の英訳にもほとんど手を加えませんでしたが、もっとプロンプトを考えて詳細な指示を与えることができれば、絵心が全くない私でも心の中のイメージを具現化できるのではないかと思いました!

これからは更にAIが発展して、いかに人間がAIを使いこなすかということが重要になりますが、扱ってみないことにはわからない!ということでこれからもどんどんAIに触れていきたいです!

一方で今回百人一首の句をいくつか思い出しましたが、このような古い文化も大切にしていきたいです。副次効果として画像で句を覚えることができたので、娘との勝負に勝てるようがんばります!!読んで頂いてありがとうございました!!

最後におまけのクイズ~この画像は何の句でしょう~

何の句でしょう?

↓↓画像の答え↓↓


一 ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ
二 田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ
三 天つ風雲のかよひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ
四 君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪はふりつつ


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