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紫陽花ルームライトの日。


2023.7.9

紫陽花を、半分、
剪定することにした。

鮮やかなBlueの紫陽花。

花びらの端から、
茶色く、焼けたように
枯れてきたものを、

もう来年の花芽が出ている
三節目から、ぱちんぱちんと剪った。



剪定したり、
切り戻ししたり、

夏の庭しごとは、

たくさんの、いわゆる
《ごみ》が、出る。

それらを、ごみ、にしたくない、と
都度、思うが、

なかなか、そうもいかない。


即席のマルチングにしたり、
細かく切って、土に混ぜ込んだり、

と、工夫はすれど、

それでも、この時期は
どっ、と、それが出る。

ガウランディアも切り戻す予定。
背が高くなりすぎて、雨に倒れてくる。
種蒔きダリアさんたちも切り戻す。
たくさん咲いて、すこしお疲れだから。
花たちは、庭のテーブルに活けて。
ぽんぽん百日草も隣に活けて。


わたしが、

まだ字が読めない
小さなこどもで、

(ゲームもインターネットも無い時代の)

時間がゆっくりと流れる
夏のなかにいたら、

それらは、すべて、
おままごとや色遊びや
お店やさんごっこに使ってから、

ゆっくりと嵩を
減らしていくのだろうに

と、思う。


そして、今も
そんなことをしたい、

とも、思う。


そういうことに、
いちにちのなかの《すこし》を
費やしたい、と、思う。

紫陽花たちのちいさな花を
水に浮かべて。




ランプ店をひらくこと、にした。



わたしは、花は、
日が暮れると、ランプになる、と

いつも空想していて、
こんなオハナシも書いている。

⇩このオハナシは朗読会で読んだもの。



さあ、日暮れを待たず、
るすばんランプ店のOpen、です。


ガウランディアを切り戻すまえに
遊びます。


切り戻した紫陽花の花を
麻紐で、丸く束ねて、

父が、庭の
シンボルツリーとしていた
シマトネリコの枝へ掛けてみた。

ほら、紫陽花ランプ!

ふんわり丸くて可愛い。
枯れた茶色い花は取り除いて、束ねた。



重くなって地面に垂れていた
柏葉紫陽花の花房は、

父が、薔薇用に、と設置した
黒アイアンのアーチへ。

シャンデリアみたい!
柏葉紫陽花の、色が変わる。
そのシックな色合いには、オトナを感じる。


わたしは、
《るすばんランプ店》の土蛙くんが

Instagramをハジメタ、と

空想を追加した。


これらを、
ストーリーズに流した、と
空想した。

ほんとうに、ストーリーズに流してみた。
わたしは空想好きは知られているから、
フォローしてくださっている方も、
素敵なランプ!と空想を共有してくださる。



こんなとき、

ジブンが、初老であること

を、忘れてしまう。


夏の庭で遊んでいた、
子どものわたしが、
時間を駆けてきて、

54才のわたしを、 
占領してしまう。

ソレハトテモココチヨイ時間。

切り戻した花たち、
《窓べ花屋さん》へ並べる。




しばらく、遊んでから、
また、庭しごとへ戻った。

粛々と、作業をし、

道具など片付けて、
アパートへ帰る準備をする。

曇っていても、蒸し暑い日で、

鏡を見たら、暑さに疲弊した
汗だらけの初老のわたしがいた。


『来週、父の誕生日だから
お母さんがむかし、植えた
ラベンダーの今年の花を
剪って持っていこう』

そんなことを思い、鞄に入れた。



来週、再来週と
父の通院付き添いもあり、
庭へは、来られない。

猛暑の予報もあり、
庭を独りにするのは
すこしく心配になるが、

『でも、きっと大丈夫。
庭のほうが、ヒトのわたしより
暑さに強い』

と、思い直し、庭を後にした。



古びた、荒れ果てていた庭よ、
少しずつ、時間を巻き戻そう。
わたしたちはまだ、少しなら
花を咲かせられる。

と、ココロで
呼びかけながら。

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