【短編小説】スリーツーワン!(約6000字)
空中に舞う瞬間、全ての悩みが消え去った。風を切る音と共に、体が自由落下していく。それは言葉では表現できないほどの爽快感だった。
タケルはいつもの席に腰を下ろした。パソコン画面を開いたものの、指は動かないままだった。
「安藤君、例の企画書は?」
上司の声に、安藤タケルは慌ててマウスを掴んだ。
「あ、はい。最後の...」
言葉を濁しながら、画面を切り替える。開いたファイルは白紙に近い状態だった。タケルは髪をかき上げ、目を細める。
上司は黙ったままタケルの顔を見つめ、や