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#40 Under Positive LeaderShip..(3)

人間の本性というものは、そのような指導者のもとでは、浜辺の男たちがどれほど精力的に、決然と、自信を持って働くか、また、そのような指導のもとでは、どれほど多くの男たちが直ちに壁を再建し、妨害者たちの首を折ることに引き付けられるか、疑う余地もないのであります。しかし、皆さん、もし皆さんが、箒を持った少年や男たちが、壁を再建するための協会を作り、組織や委員会の管理のもとに、壁を修理し守るのまで待つつもりなら、共産党に、かつての美しい家々の跡に彼らの主張を張り出すように、今すぐ言い始めた方がいいのではないでしょうか。

しかし、そのようなたとえ話はここでやめて、、もう一度平易な表現に戻りましょう。このどうしても必要なリーダーを政治の分野で見つけるための可能性、メリット、デメリットを簡単に見てみましょう。そして、これを行う最も簡単な方法は、最初から一定の個人を中心に議論を行うことです。

今、私たちが政治の地平線上に見ている、すべてのニーズと資格を満たすのに最も近い人物は、バリー・ゴールドウォーターです。私はバリーのことをよく知っています。彼は偉大なアメリカ人です。私は1年前、ルーサー派左派がアリゾナの選挙戦にいかに国力と資源を集中させるか、そしてゴールドウォーターがその攻撃に十分に対応するためにアリゾナ以外からの資金がいかに重要かを予見し、マサチューセッツで彼のために一人資金委員会となることを引き受けました。私は自分の州で2千ドルほど集め、1958年の早い時期に彼に送りました。

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Barry Morris Goldwater 1909 - 1998

今では二千ドルはたいした額ではありませんが、マサチューセッツはアリゾナから遠く離れているし、マサチューセッツ東部のいわゆるアッパークラストは、おそらくアメリカの同種のグループの中で最も田舎者で、今日実際に起こっていることに知ったかぶりをした無知な人たちです。ともかく、他の州の多くの人々が同じ考えを持ち、あるいは与えられた努力によってバリーは十分な資金を持ち、十分な時期に資金を得たので、強力な民主党の州における共和党員として、ウォルター・ルーサーが投じたあらゆるものに対抗して、プロフェッショナルな選挙戦を展開し、成功を収めたのです。

バリー・ゴールドウォーターは、政治的なノウハウと、そのノウハウを無限の細部にわたって活用する丹念な才覚を持っています。彼は、優れた政治的組織者であり、深く永続的な忠誠心を抱かせます。彼はアメリカ主義において絶対的に健全であり、政治的、道徳的勇気をもってアメリカ主義の原則を守り、地獄が凍りつくまでそれを守り通すと私は信じています。私は彼がアメリカの大統領になるのを見たいと思うし、そうなる日が来るかもしれません。

しかし---この部屋の中で、バリー・ゴールドウォーターがこの国を救うために必要なダイナミックで総合的なリーダーシップを発揮し、大統領になる可能性が少しでもあると思う人はいるでしょうか?もしそうだとしたら、働いている力の性質と全体性を十分に理解していないと思います。なぜなら、ゴールドウォーターは、その政治的成功、現在の名声、支持者の期待というまさにその状況によって、必然的に政治戦の観点から考え、動くことになるからです。たとえ彼が個人的に、政治的行動を、たとえどんなに重要であっても、より広範な全体的行動の一部と考えたいという点と理解に達したとしても、彼の友人や支持者が、彼がこれほど成功した厳格な政治的役割から彼を踏み出させる可能性がどれほどあると思いますか?共産主義者と戦わなければならない他のすべての戦線において、彼に力強いリーダーシップを構築し、活用させる可能性がどれほどあるでしょうか。昨日の午後に議論した、私たちに少しでも可能性があるのなら必ず取らなければならない措置のうち、バリー・ゴールドウォーターのリーダーシップに頼って、彼がどれほど懇願され、彼自身がどれほどその気になったとしても、それを実現できる見込みがあると思いますか?

あるいは、別の言い方をしましょう。あなたが政治的要素が他の要素に勝るほど重要だと感じたとします。そして、バリー・ゴールドウォーターのような人物、あるいはビル・ノウランドやビル・ジェンナーのような人物を、1960年までに、あるいは1964年までに大統領に指名して選出できれば、そうした人物の手になる大統領職の権力が、この国を救うに足るものになるだろうと考えたとしたらです。厳密には政治的な手段で、他のあらゆる前線でのあらゆる努力の助けなしに、これを実現する可能性が少しでもあると思いますか?現在の共和党の粉々の状態と、両党内部の左翼がそれらの党の様々な部分を握っている状態で、党内の偏在する日和見主義に影響されない党外の巨大な強制力が働かない状況で、堅実で勇敢で妥協しないアメリカ主義者がどちらの党からも指名される可能性は少しでもあると思いますか?この部屋の中で、急速に高まる共産主義者の影響力を鈍らせるのは現場の組織に任せ、共和党内の共和党主義を回復させるのは政治家に任せ、1961年に左翼的な大統領以外が誕生する可能性は少しでもある信じる人がいるなら、私は大いに驚いてしまうでしょう。私たちは、この20年間、そのような救いを期待し、それゆえに、着実に破滅に向かっているのです。


※訳注

ゴールドウォーターは、すばらしい愛国者であって、ウェルチ本人がおおいに支援した人物ですが、しかし、彼がすんなりと大統領になって、反共ののろしを上げてくれると思っている人がいたとしたら、それは楽天的に過ぎる、とウェルチはここで警告しています。

アメリカの史実を確認してみると、この演説の五年後の1964年の大統領選共和党予備選で、たしかにゴールドウォーターは対立候補のネルソン・ロックフェラーの共産主義化の野心を見抜いて論破し(この時代は陰の番長じゃなく表に出ているのが面白いですね)し、共和党候補になりますが、結局は現職大統領ジョンソンとの一騎打ちに負けてしまいます。

このとき、ゴールドウォーターは極右のと同列のように扱われ、政治的には減速を余儀なくされ、実際の票数と獲得洲で圧倒的差を付けられてしまうのです。

しかし一方で、ゴールドウォーターは保守派の力を後輩達に伝えて、やがてくるレーガン時代の基礎を作ります。

翻訳と解釈が正しく出来ているかは、自信がありませんが、ジョンバーチ協会としては、政治家それ自体には、期待しすぎないように言っているようにも思えます。

共産主義と全体主義に備えるには、政治的な力も必要であるが、そうでない力も必要である、という事でしょうか。

ちょうど我々がトランプをめぐる政治的な力について考えるときと非常に似た状況があるように思います。あるいは亡くなった安倍さんと自民党政権についても同じかも知れません。その意味でこのBlue Bookは今日の政治を考えるためのヒントともいえるでしょう。

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