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#18 おじさん油断する

おじさんのダイエット生活も2.5ヶ月が過ぎた。

体重  99.2kg→93.3kg 5.9kg減
体脂肪 36.6%→34.2% 2.4%減

体重・体脂肪ともに順調に落ちているといえる。冬は痩せやすいというからそうなのだろう。炭水化物と脂質を減らしてタンパク質と野菜類を食べている。夜食もほとんど(そう、ほとんど)しない。まだちらほら雪も降るし、運動も毎日500kcalほど。

かなり模範的なスローダイエットだと思う。なにせ料理ができるのがいい。山ほどのきんぴらごぼうとキャベツの浅漬をこしらえたので、1週間は食物繊維とビタミンAに困らない。小鉢料理の有無は献立の満足度に大きく影響する。まだまだ覚えたい。


しかしながら新たな主菜というのは覚えにくい。選択肢が少ないのだ。肉か魚か、肉であれば鶏か豚か牛か、或いは羊。魚ならシャケ、タラ、ニシン、開きならホッケ、アジ、サバあたり。ゴッコ(ホテイウオ)、フクラギ(小型のブリ)のまるごとは調理法が限られるので滅多に買わない。いずれにせよ焼くか、煮るか、揚げるか。鍋物、味噌汁。どれも美味いが、どれもありきたりでセンス・オブ・ワンダーではない。

人間は主菜が大好きだ。3大栄養素は炭水化物、タンパク質、脂質だが、人間の肉体はこれらの、欠乏すると生命に支障が出る栄養を優先的に摂取するために「美味しい」と感じるようにできている。なんの思想も肉体的条件もなくこれらを嫌う人間はいない。飲食店のメニューにトンカツ定食は載るがキャベツ定食は載らない。そんな店は潰れる。つまるところ、無意識に主菜を重視しているのだ。

異国の食文化でもっとも興味を掻き立てるのは3大栄養素だ。アメリカのハンバーガーとマッケンチーズを知っていても、伝統的で家庭的な野菜料理というのは少しばかりマニアックな話になる(そもそもそんなものがアメリカにあるのかと(ここは日本なので芋とピザは炭水化物である))。


ミーハーな日本人は世界中の料理に興味を持つが、その多くはファストフード化できる3大栄養素信奉者か、肥大した自意識に品性が追いついていないスーパーフード・カルトだ。そして日本人は米ゲノムによって遺伝子を改変されているので、世界中のありとあらゆる主菜を米のおかずに化けさせようとする。思えば麻婆豆腐を米のおかずにしているのは狂気的である。江戸時代には八杯豆腐があったのでそのあたりには米ゲノムの洗脳は始まっていたのだ。そりゃ米騒動も起きる。

なので日本の食文化に取り入れられた異国の料理には主菜が多く副菜となるものが少ない。多少詳しい人間ならばそんなことはない、と憤懣しようが、所詮詳しい人間の意見である。市井に受け入れられない文化の強度などたかが知れている。そこらじゅうでソムタムを売るようになってから文句を言え。大抵の人間は副菜なんてほとんどどうでもよく、主菜こそ重要に捉えるのだ。それが正しいかどうかは別の話だ。


そんなわけで新たな主菜を見つけることは難しい。ただでさえ暇があればレシピを探しているのに、これ以上探すのはただのマニアになってしまう。膾炙していないレシピはなにかしらの問題点があるはずなので、これはひどく非生産的である。冷蔵庫にある食材をググればいいのである。味の素のサイトでも見ておけばいいのである。西アフリカのパーティー料理を調べている場合ではない。マグロの輪切りって、そんなものどこで手に入る。時間のムダである。


つまるところケンタッキー・フライド・チキンは美味い。すごく食べたい。あの不健康な肉と油とスパイスの塊を。できれば4ピース。

鶏むね餃子


焼色悪し

鶏むね餃子について

なんかYoutubeで見た。作りたければ探すといい。

餃子の皮→炭水化物の衣
鶏むね肉→タンパク質
サラダ油→脂質
コショウ→香辛料

これはもう実質フライドチキンだ。心配せずともおじさんは自分が錯乱している自覚はある。狂わなければ生きていけないこともある。

本来、むね肉はもも肉に対して旨味成分の含有量が多いのだが、脂質が少ないむね肉は加熱すると水分が逃げやすくパサパサになりやすい。それはそれで嫌いではないが、これは餃子の皮で強引に水分を保持しているのでパサパサになりにくい。餃子の皮を油で焼くので、当然酸味が合う。これをポン酢で食べると米が進む。しかしこのメニューの最も輝ける場所は酒の肴か弁当のおかずだろう。脂質を気にしなければマヨネーズも合いそう。

ちなみにおじさんは油断し、ケンタッキーで1000円パックを買った。

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