恋煩い

私は恋をしてしまったかもしれない
これだけ長く精神科医療に携わってきて
今まで1ミリたりとも、文字通り1ミリたりとも
患者さんに特別な感情を抱くことはなかった
しかも、イケメンでもなく、
年下で、背も高くなく、肌も綺麗じゃない、貧乏な彼に、そして私は結婚して子どももいるおばさんなのに。

彼のスペックは驚くほど高く、
そして驚くほど低い。
いろんな患者さんと出会って
世の中にこんなに色んな人がいることを知っているのに
なぜ彼だけに心を動かされるのか。

彼が紡ぐ文章が本当に面白いからと
彼の思考が驚くほど私に近いからと
彼が私への感情を「ラブ」(その他の数人にも彼はこの言葉を使う)と称してくれるから。

さすがにここまでおばさんになれば、
彼のラブがどんな風に使われているのかくらいわかる。
圧倒的に好かれれば有利な関係性を維持、向上したい裏心、
そして今彼にとって第三者として彼を大事にしてくれる話し合い手が私しかいないからだ。

これは、推し、という便利ワードでくくるべきか。
それとも恋、という甘酸っぱくて罪のある背徳ワードにくくるべきか。

どちらにせよ、私はほぼ毎日のように
彼について考え、
彼の言葉を思い返して新しい発見を得て、
彼がどんな雑で不器用なsexをするのかを想像する。

だけど忘れてはならない。
彼の人生を壊してはならないことを。

だけどどこかで期待している。
彼にとって私が「都合のよいはしゃいでる痛いおばさん先生」で、
ボロ雑巾みたいに搾り取るとこもないけど
今それしかないから仕方なく使います的に使って
臭いからゴミ箱に捨てよう的に扱ってくれることを。

彼は極端に知的で
彼は極端にだらしがなくて
彼は極端に繊細で
その全てが
彼の人生を邪魔してくる

彼の頭の中を
彼さえ許してくれたら
全部食べてあげるのに

そんな不埒な思考にまみれた日曜の朝でした。

片想いって
推しって
生活を豊かにしてくれるのね

ありがとう

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