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2024年を迎えるにあたって

2024年を迎えるにあたって
 2023年の「他山の石」として忘れてはならない事例。

2月 日本の品質管理は、世界に誇れる、何時のまにか誤魔化しの日本になってしまったような → 大浴場の湯を年2回しか交換せず 福岡の老舗旅館「報道は事実」と認めて謝罪

7月 ビッグモーター「板金・塗装」の部門で自動車保険の保険金を不正に請求

8月 タイムカードを押してから、作業着に着替えていますか → #イケア  、着替え時間の賃金払わず 9月から支給へ

9月 在庫の賞味期限切れの製品のラベルの張り替え、 まだまだ無くならないのが、困ったもの→ 冷凍ケーキ回収=賞味期限書き換え―シャトレーゼ

9月 塩素殺菌されている水を提供、何度も繰り返される事故 → 「天一 銀座三越レストラン店」における 化学物質による食中毒事故発生

9月 青森の糸引き弁当 → 注文の受けすぎが原因? 老舗弁当店が食中毒で「営業禁止」処分に 

11月 糸引きマフィン → 添加物無添加、砂糖の使用が半分が安全という妄想の商品
 
11月 仕入れ先の定期的な監査が必要な理由 → 産地偽装の豚肉を川崎の学校給食に提供 神奈川の食品加工会社

12月 試験不正、検査不正、開発の手抜きは、やってはならないと言う事例 → 
問われるトヨタの管理責任 専門家が指摘、ダイハツ不正の深刻さ

12月 高島屋崩れたケーキ「手を付けず処分」も 崩れたクリスマスケーキ、購入者どうした?  

 2023年は、原料の仕入れからお客様の口に入るまでの、製品の流れ全体を見ている方がたった一人でも企業にいれば、防げた事故、トラブルがほとんどだったと思っています。
 特に、12月に発覚した、ダイハツの不正は、30年以上も続いていて、お客様の安全と言う、土台を全く考えていない体質に驚いてしまいました。
 役員、責任者は、常に安全の土台の上で、1秒、1円のコストを下げて行動しなければならないのに、安全の土台を無視して、行動していることを、暗黙の内に許してしまっていたのです。
 青森の糸引き弁当、高島屋の崩れケーキも、原材料の仕入れから、お客様の口に入るまでの、管理のハードルをきちんと設計し、監視を行っていれば、防げた事故だったと思います。
 特に、糸引きマフィンの事故は、製品が、賞味期限、消費期限まで、なぜ、保存できるのかの理論、理屈がわからない、素人が商品の製造に手を出してしまった結果だと思います。
 食中毒を治す医者になるためには、大学で6年間勉強し、国家試験に合格しなければならないのに、食中毒を起こすには、何も資格がいらない事をまさしく、実践してくれました。
 食品を製造するためには、原材料の仕入れから、お客様の口に入るまでの、管理のハードルをしっかり設計し、監視するシステムが必要です。さらに、原材料からの流れの全体を常に監視、指導できる体制が必要なのです。
 安全・品質を貯めておく桶を考えてみてください。桶の胴板がそれぞれの部門として考えたときに、例えば、製造部門の責任者が、最終検査部門の胴板に大きな穴が開いていることに気がついていても、「私は関係無いかた黙っている」、と思うか、「隣の部門だけど、検査をいい加減に行ってはまずい」と思って、笛を吹くかで、組織は大きく変わってしまいます。
 しかし、糸引き弁当、ダイハツは、桶の箍(胴板を押さえているたが)が外れてしまって、品質が全く、桶に溜まっていなかった状態に思えてしまいます。
 たった一人でも、ハードルが倒れていることに気がついたとき、「倒れています」と笛を吹ける体質、桶から水が漏れていれば、「漏れています」と笛を吹ける体質であったなら、2023年の事故はすべて防げたと信じています。
 2024年は、一人でも多くの方が、ハードルが倒れている時に、笛が吹けるような、環境になることを祈っています。

 2024年1月元旦 食品安全教育研究所 河岸宏和
 http://ja8mrx.o.oo7.jp/koujyou1.htm
 

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