まず、事務所から初めてみませんか　

まず、事務所から初めてみませんか　

｢加藤さん、躾の話、ありがとうございます｣
｢店長、おはようございます。ありがとうございます。｣
｢まず、事務所からはじめてみたいと思っています｣
　5Sの話を加藤さんから聞いた店長の青山さんは、5Sを進めることを、まず、事務所から初めて見ることにしたのです。
　簡単なルールを3つ決めました。
1． 机の上は何も置かずに帰ること
2． 段ボール箱は事務所に持ち込まない
3． 毎週月曜日の朝は、朝礼後に、自分の身の回りの掃除を行う

店長は、まず、この三点を徹底的に実施することに決めたのです。
この事務所は、現場の責任者の事務作業も行っていたので、結果として、各部門の責任者が5Sの進め方を学ぶことが出来たのです。
　はじめの机の上は何も置かずに帰る事。この簡単なルールが、大変だったのです。
　机の上には、パソコン、電話、各個人で持ち込んだ私物など、様々な物が置かれていたのです。電話については、机の上に置くことなくとれる、机から浮かす治具ですべて浮かしたのです。
　なぜ、電話も置いてはいけないのか。5Sの説明会で話した様に、5Sを進めると、どこかで効率的になることを忘れてはならないです。
　電話がある机と、電話がない机では、机の上を拭く作業のスピードは、全く違うものになるのです。
　ヨコシマスーパーでは、パソコンは、すべてノートパソコンで、業務が終わった場合は、袖のロッカーにしまって帰る、ルールでした。情報漏洩からもパソコンの持ち帰り、移動も禁止されていました。5Sが始まる前は、ほとんどの方が、袖のロッカーに片付けることなく、帰っていたのでした。
　机の上に私物を置く方も多かったのです。小さなぬいぐるみ、写真立て、人形など、心が安まる物を置いていたのです。
　机の上を拭く方も多かったのですが、小さな置物をどけながら、毎日拭くには、時間がかかっていたのです。
　パソコンの、キーボード、電話のボタンについては、手垢が付いている方が、ほとんどでした。
　実際、今、この文章を読んでいるみなさん、アルコールをティッシュに含まさせて、キーボードのキーを拭いて見てください。真っ黒になりませんか。固定電話の電話の話すところを外して、裏側を見てみてください。真っ黒になっていませんか。
　机の上を綺麗に拭くためには、まず、机の上の私物もどかす必要があるのです。
　ここで、大切な事は、作業場には、一切私物の持ち込みが禁止されています。
　すなわち、必要な私物以外は、会社にもって来てはならないのです。
　個人の携帯電話も、私物ロッカーに置いておくことが、スーパーのルールのはずなのです。
　私物の、ぬいぐるみが、事務所にあること自体、ルール違反のはずなのです。

2つめの段ボールを事務所に持ち込まない。
　作業場では当たり前のルールです。
　しかし、宅急便などを思い浮かべてください。外から入荷した、荷物をそのまま、中身を確認せずに、作業場に渡していませんか。
　感染症対策上、危機管理上、本来の取り扱いは、宅配便は、受け取った時点で、記録を取り、段ボールの中身を確認し、中身だけを別容器に入れ替えて、作業場に持ち込むべきです。
　あなたの事務所には、段ボール箱に入った、宅配便がそのまま置いていませんか。
　コピー用紙なども、外から持ち込んだ、段ボール箱を外して、事務所に置くべきです。
　事務所は、外から直接持ち込んだもの、私物はあってはならないのです。
　理想的な事務所は、責任者であっても、私物の鞄などは、持ち込んではならないのです。
　自宅から持ち込んだ鞄の中に、農薬を持ち込み、作業着のまま事務を行う、事務所にあれば、そのまま、作業場に持ち込む事が出来るからです。
　私物の携帯電話、責任者の鞄も含めて、事務所に持ち込む事は禁止すべきです。
　この事は、整理の基本です。
　事務所の整理を行うと言うことは、事務所に、私物、家から、通勤時で使用した物は、持ち込んではいけない、と言うことになります。

3つ目、毎週月曜日の朝は、朝礼後に、自分の身の回りの掃除を行う
　事務所の自分の身の回りを綺麗にする。非常に大切な事です。
　あなたの今、座っている椅子の脚、机の脚を何時清掃しましたか。
　作業場でも考えて見てください。作業場の作業台の上は、毎日綺麗に拭きますが、作業台の脚、すのこの部分は、何時、磨きましたか。
　例えば、作業場の作業台の脚は、毎週、月曜日に磨くと決めれば、作業場は、光輝くはずです。
　事務所の机の脚、椅子の脚、机の下の床を這いつくばって掃除したことがありますか。
　椅子の脚を見て見てください。私は、椅子をひっくり返して、汚れを見ることがあります。
　｢この椅子の脚は何時磨くように決まっていますか。前回は何時磨きましたか｣
　この質問に、みなさんの事務所の方は、なんと答えますか。
　再確認してみませんか。