サッカーデータ革命
要旨
サッカーの様々な研究結果をもとに考察
ポイント
データ列挙
■パスの回数が増えると成功率も下がる(P.29)
■相手チームのペナルティエリア内でボール奪取をした場合、30%がシュートにつながる(P.30)
■得点の直後は失点しにくい(P.36)
■コーナーキックからシュートにつながる確率は20.5%(P.39)
■コーナーから点が入る可能性2.2% ⇨ ショートコーナの方が効果的かもしれない(P.40)
■サッカーでは半分近くの試合で下馬評の低いチームが勝つ(P.72)
■シュート8本につき1本がゴールになる(P.74)
■各チームに全く実力差がないとすると48%がホームの勝利、26%がドロー、26%がアウェイの勝利(48/26/26の法則)(P.76)
■シュート数が多い方のチームの勝率は5割以下(P.79)
■イングランドのサッカーリーグの1試合あたりの両チームの合計の平均得点数は約2.66(P.102)
■得点の傾向はレベルが低くなると違いが生まれ、レベルが高くなるほど類似性が生じる(P.108)
■1995年、FIFAが攻撃的なサッカーを増やすために、勝利した時の勝点ポイントを2から3に引き上げた(P.116)
■リーグ戦での勝ち点3ルールはゴールではなくイエローカードの増加を導いた。引き分けが少なくなった。1ゴール差の試合が増えた。監督とチームは守備を重視するようになった。(P.117)
■最も貴重なゴールは2点目。勝ち点に換算すると0.99ポイント。(P.120)
■得点を増やすことと、失点を減らすことはプレミアリーグではほぼ同等に「勝つこと」に貢献する(P.141)
■敗北を避けるために得点よりも失点を減らすことの方が33%も効果的(P.141)
■人は欠如(起きなかったこと)の原因を軽視し、存在(起きたこと)の原因を重視(P.149)
■勝ち点の観点から無失点に抑えることは2点を取ること以上の価値がある。勝ち点(無失点)>勝ち点(2得点)(P.155)
■ポゼッション率が高いチームは難しいパスを通す能力よりも、パスを簡単にする能力に長けている。(P.173)
■シーズンを通じて、ボールを大切に扱うことに優れたチームは良い成績を収める可能性が高まる。(P.179)
■ボール支配率が高いことで、約0.3~0.5点ずつ得点は増え、失点は減る。2つを合わせると、1試合当たり約1ゴール。(P.181)
■ボールを奪われる回数が相手より少なかったチームの勝率は44%、多かったチームの勝率は27%。(P.182)
■ポゼッションが高く、ターンオーバー(攻守の入れ替え)が少ないチームは、成功に近づく(P.183)
■連続でのパスの成功回数が増えるにつれ(6回までは)、得点の見込みが高まる。(P.195)
■サッカーでは、運命をコントロールする方法はいくつもある。おそらくその最も効果的な方法はゴール前にボールを放り込むことではなくボールを支配すること。(P.202)
■ロバノフスキーとゼンツォフはサッカーの試合を、11個の要素(選手)から成る2つのサブシステム間の相互作用だと見なした。その結果は、どちらのサブシステムの欠陥が少ないか、そしてどちらが効果的に統合されているかによって決まる。チームの特徴は「サブシステムの効率は、それを構成する要素の効率の合計より大きい」ことで表せた。ゼンツォフは、「全てのチームには、連携を強めるための選手と、相手の連携を破壊するための選手がいる。前者は攻撃を創造し、後者は相手の攻撃を阻止する」(P.243)
■0リング(下記参照)のパターンは、サッカー界にも当てはまる。(P.246)
■1人の退場者を出すことは、相手チームにホームアドバンテージを与えるのと同等の影響(P.259)
■交代のタイミングは1人目の交代を58分、2人目の交代を73分、3人目の交代を79分までに行うと同点または逆転に成功する確率が上がる。マイヤーズの「<58<73<79」の法則(P.268)
■弱点の改善において、能力の劣る人の心に能力の高い他者に追いつこうとする気持ちと、自分が集団にとって欠かせない存在であるという気持ちが大事。(P.274)
■勝利の相関関係において、クラブのメンバー表に誰の名前が書いているかよりも、選手の給与明細の数字の方が重要(P.290)
■年俸と順位の強い相関を説明する要因には、良い選手を見つけ、育てる役割を担う監督も含めるべき(P.293)
■CEOの他界によって、企業はその後2年間、28%収益を落とした。家族が死亡した場合は、16%低下した。不在や仕事の低下によって会社の業績が低下しことは、リーダー(監督)が重要であることの証明。(P.300)
■平均値への回帰。監督を解任していないにもかかわらず対照群ののクラブのパフォーマンスは監督を解任したクラブのパフォーマンスと同じ程度に回復。(P.326)
■サッカー分析の未来(P.336~)
・弱小チームからデータ革命が起きる
・スターアナリストは生まれない
・サッカーのデータは少なくとも32倍に
・幾何学が活用される
・ゴール数は10年後も変化しない
・FW、DF、GKの年俸、移籍金の差が縮まる
・組織のあり方が戦術と同じくらい勝ちに影響する
・絶対主義的な監督は絶滅危惧種に
・データ分析しないチームにも成功の道はある
・データ革命への反発が起きる
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