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娘、まさかの骨折。そこでの教訓は「病院での飲食に気を付けろ」

平日、11時。

私のスマホに娘(3)が通う保育園から着信があった。

「○○保育園」

スマホに表示された名前を見て、

「娘、熱でも出したかな…お迎え要請かな?」

そう思った。

しかし、そうではなかった。

電話をかけてきたのは園長先生だった。

この日は運動会の予行があったのだが、その途中で娘が手首に怪我をしたという知らせだった。
着地の際に変な角度で手をついてしまい、手首が腫れているとのことだった。骨折の可能性があるので、先生が病院に娘を連れて行ってくださるそうで、私にも今から来てほしい、とのことだった。


突然のことに私は狼狽した。
しかし、まずは病院に行かなければならない。

幸い、私は現在下の子(5か月)の育休中なので、仕事の調整をする必要はない。
大急ぎで出かける支度をして、下の子を連れて家を飛び出した。



病院に到着すると、園長先生と養護担当の先生が娘に付き添ってくれていた。娘は簡易のギプスを付けて三角巾で腕を吊るしていた。

ひとまず診察を終えて、レントゲン撮影を待っているところだった。

先生方からお医者さんの所見を聞いたところ、こんな感じだった。

骨折しているのは間違いない。
固定して自然治癒を待つか、何かしらの治療を行うかはレントゲンを見て判断する。たぶん、自然治癒でいいと思う。子どもは骨の修復も早いからなおさら!

ふむ。そういうものなのか。自然に治るならいいけど…


娘は明らかにしょんぼりした様子で、生気がなかった。泣いた後だったのだろう、目の周りが赤くなっていた。折れてない方の手で私の服をつかんでうつむく娘。その姿に私は胸がキュッとなった。

先生方が娘を連れてきてくださったのは、総合病院だ。結構規模の大きい病院なので、患者数も多く、待ち時間も長かった。そして、このとき時刻は昼の12時過ぎ。いつもなら娘は給食を食べている時間帯だ。

「あ~、家からおやつでも持ってくりゃよかったな..」

そう心の中で私が思っていると、園長先生がビスケットを出してくれた。

園長先生は娘のためにおやつを準備してくれていたのだ。さすが!

「娘ちゃん、おなかすいてない?ビスケット食べる?」

そう先生が尋ねると娘は黙ってうなずき、ビスケットを2枚食べた。ビスケットのおかげか、娘の表情は少し柔らかくなった。ありがたい。

このビスケットが後々キーポイントになってくることを私はまだ知らない。

その後、レントゲンを撮影し、我々は再度診察室に呼ばれた。

どうやら娘の手首は変な折れ方をしていたらしく、自然治癒という訳にはいかないとのことだった。折れた骨を正しい位置に戻す必要があるらしい。

戻す手段は2つ。
医療的な説明は私にはできないので、素人流に表現すると…

①外側からエイヤー!と押さえて戻す
②手術して戻す

できれば①でいきたいが、うまくいくかは五分五分。だめなら②になるとのことだった。

そして、①にしろ②にしろ、3歳児の場合は全身麻酔が必要らしい。
大人なら局所麻酔で十分だが、小さい子どもは恐怖で暴れてしまい危険なので全身麻酔をするしかないそうだ。


全身麻酔…??
手術…??

予想していなかった展開に頭がついていかなかった。
しかし、娘の手首を治すにはこの治療を受けるしかないのだ。
私は治療を承諾し、お医者さんからこの後の段取りについて説明を受けた。

このとき時刻は13時半。

当時、病棟は満床で入院はできない状態だったらしい。

仮に手術になった場合でも、術後2,3時間で帰宅できるらしく、今すぐに手術すれば夕方には帰れる。その場合は入院は不要だ。
逆に、今を逃して手術が夕方になってしまうと一晩入院する必要がでてくるので、満床状態では夕方の手術はできない、とのことだった。

つまり、「いつやるの?今でしょ!」状態だったわけだ。

「じゃあ、今すぐお願いします!!」


私は覚悟を決めて答えた。

お医者さん「分かりました~!あ、ちなみに、娘さん、お昼ご飯って食べました?」

私「いや、食べてません」

お医者さん「あ~よかった~!全身麻酔するから、胃の中が空じゃないとダメなんですよ。ちょうどよかった!」

…んんん???
待てよ。ご飯は食べてないけど、さっきビスケット食べたよ…

私「あの…さっきビスケット食べちゃったんですが…それくらいならい大丈夫なんでしょうか…??」

お医者さん「え!!??ビスケット食べたの!!??それじゃ困るな…。全身麻酔の前は絶食じゃないとダメなんで、ビスケットも困るんですよ、お母さん!」

私「…そうなんですか…す、すみません…」

全身麻酔中は嘔吐する可能性があり、胃の中に何か入っていると誤嚥の危険性があるので絶食が基本らしい。知らなかった…。

結果、ビスケットが仇になり、当日中の処置は受けられないこととなった。

娘は翌日の朝イチに処置を受けることとなった。
これにより、娘は一晩痛みに耐えることになってしまった。本当に申し訳ないことをしてしまった。

翌日の処置の結果、①のエイヤー!作戦で事足りたため、②の手術を受ける必要はなくなった。手術となると傷も残るし、本人の負担も大きくなる。①で済んで本当に良かった。

処置当日の話はまた改めて書くことにする。娘は本当によくがんばったので。

ここから得られた教訓は

病院の待合で飲食する際は気を付けろ!

風邪とか、いつもの症状ならいざ知らず。初めての科や症状のときは控えるor飲食可能かの確認が必要だ。

後に全身麻酔の可能性がある場合はなおさらだ。(そんなシチュエーション稀of稀だが)

娘、ほんとにごめんね。以後気を付けます。

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