税理士のお仕事

国外居住親族の扶養事実を証明するために財務省は政令で送金事実を証明する書類、親族関係を証明する書類の提示または源泉徴収義務者に確認を課している。
ここでも、調査権限のない事業者に源泉徴収だけでなく、扶養事実の証明確認をさせている。ただ働きだ。

ところで、この政令に書かれていることの問題点はある。
親族関係を証明する書類はとれる。生きているかいないか、国内であれば確認できるか、国外は難しい。世界的にデジタル化が進んでいるとはいえ、この程度である。アナログで確認する理屈はわからないでもない。
問題は送金事実の確認だ。
中国人のお客さんの事情はこうだ。
近くの銀行まで20キロ近く離れているし、近くのATMまで5キロ先だ。高齢なので車の運転ができない。公共交通機関の乗り場まで、老人の足で歩いて30分、往復で2〜3時間かかる。
送金してもお金が受け取れない。このような事情があっても送金事実がないと扶養控除が使えないというのだ。

家族を大事にといいながら、個々の事情を無視した一律の基準を押し付ける政令を作る財務省の感覚がわからない。
政令の合理性を問いたい。

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