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エッセイ:『円満解決!閻魔ちゃん』最終回

「円満解決!閻魔ちゃん」が終わったことで、僕の中で一区切りついたような感覚があった。

 エマちゃんに関しては割と古参ファンでして、楽しかった思い出の数々が蘇る。ASMRを導入した時は驚いたし、初音ミクの曲をカバーした時は何度も聴いていた。作画が綺麗な回は何度も繰り返し再生していたから、割と人生の一部だった。

 コメント欄を読んでいると、悲痛な書き込みが続いていて。決して大袈裟なものではなく、本気で悲しんでいる人間も多いのでしょうし、僕だって同じ気持ちだった。登録者が40万人もいて打ち切られるというのも、中々厳しい世界だと思う。YouTuberの世界は弱肉強食。正直言って、最初は何かの間違いかと思ったくらいだった。

 最終回でもエマちゃんはエマちゃんであって、いつもと同じように楽しめたけど、このまま終わるのが信じられなかった。追い討ちを掛けたのは最終回を終えた配信終了後の出来事。公式アカウントからイラストのポスターをコンビニなどで印刷できるサービスが行われていたのですが。パクリ疑惑があり、急遽配信停止する事態になってしまったのだという。もう、踏んだり蹴ったりとしか言いようがない。打ち切られた挙句、スパッと終わらせても貰えないのだ。

 こういった一つ一つの出来事が、なんというか物凄く切なくなってしまう。打ち切りの事実よりも、雑に扱われてたことを想起させてしまう出来事の方が遥かにキツい。もちろん、単なる誤解だった可能性もあるのだけど、同じplott系列の「全力回避!フラグちゃん」や。「混血のカレコレ」はいつも通りに続いているのを見ていると、やり切れなさを覚えていた。

 ブラック介護で虚無状態になっていた僕は、「人生なんて生きてる方が苦しいから」と困り顔で話すエマちゃんに本気で救われていたのです。「死」を司る閻魔という存在。だからこその説得力。「こんなにも死生観がドライなヒロインがいるのか?!」と本気で驚いたし。「生の苦しみ」を笑い飛ばしてくれるような内容に気力を貰っていたのです。

 大人の都合で一つのコンテンツが終わってしまうのはやっぱり寂しい。でも、大団円といえば大団円なのかも知れない。みんなから惜しまれながら、終わっていくのだから。

 僕は「生きることは苦しみでしかない」という悲観主義者だけど、彼女と出会えたことは最良の幸福の一つでした。心の底からお礼を言いたいし。再開するまで、いつまでも待っています。

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