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定価30円くらいの乱文

割引あり

今更星屑が綺麗だなんて思えずに、

何者にもなれないくらいなら、値引きの定価で30円くらいで自分を安売りしたほうがマシだと思った。
汚いくらいでちょうどいいって言わせてくれやしないのか。


 閉塞的な場所であいつの似たような色の不幸が悲劇だなんて言われてた頃、案外満更でもなかったんじゃないの?御目出度う、なんて思いながら白人ステータスの音楽が自分の理解者だったように思ってた。
 でもそうじゃないならいいや、もう要らないって切り捨てられるのは、どうせこいつらのファンが大事だなんて嘘っぱちなんだって知ってたからだった。薄情な人間で良かったって思った。
 自分を好きじゃない人間なんか要らない。

 
 人は大抵、なりたい自分になんかなれなくてそれでいながら理想であろうとかつての未練から離れるうちに、誰かの姿になりたかった自分を垣間見ると恨まざるを得ないのだと思う。
 理想を追い求めた結果が自分に優しいとは限らないからだ。そのうち、私の後悔を拾った別の誰かが厚かましくも時代に手助けされているのを見たならば目を背けるみたいに苦しいくらいが丁度いい烈情に身を任せるしか行き場がなくなったりするような。むしろ、


「なんの努力もしてないのに便乗しただけで救われるなんて狡い」
 


 例えば、誰かの「出会ってくれてありがとう。君のお陰でなんとか。」だなんて言われたってそれで有難いのも助かったのも私じゃないのだから「だから何?」その程度でしかない。むしろどの面下げて御礼を言ったんだろうと私は訝しむ。

 今の私にはこんなクソみたいな世界に産み落としてくれてありがとうだなんて何億光年先で地球に隕石ぶつけるような取り返しのつかない馬鹿げた話が救いであるように思えた。さしずめ、うるせーシネカスカバ、お前なんか自分の美しさのために私を犠牲にした青臭い薄らハゲだと言いたいような気持ちであった。

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