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香りつれづれ ~エタニティ~

香水の口コミが楽しい。
ある人が大好きとフルスコアをつけた同じ香りが、別の人には不快と評価されている。
香りの感じ方は千差万別で、極めて個別性と主観性が高い感覚であることを実感する。

それは、私自身も同じで、20代の頃と50代の今では異なる印象をもつ香りがたくさんある。

例えば、カルバンクラインのエタニティ。
1988年に発売されて以来、愛されつづけている名香であるという。
若い頃には印象に残らなかったのに、今は魅力的に感じる。

口コミを見ていると、私の同世代たちがこの香りを纏って、かつてのバブル経済の祭に興じた現影が去来する。

一方で、現代の愛好者からは、デイユースな香りとしてカジュアルに選ばれているようだ。

私のエタニティの印象は、
さわやかでフレッシュな花々の香りに包まれて静かに目を閉じると
かすかにクローブの香りが目印のように現れる
花々のささやきは長くは続かず、柔らかな余韻を残して消えていく
永遠(エタニティ)とつぶやいた瞬間
それさえも儚く消えていく刹那の約束
そんなふうにイメージされる

エタニティの調香には、フリージア、ミュゲ、ホワイトリリー、セージ、カーネーションなど花々の優しい香りが主体で、クローブは含まれていない。
私の鼻はあてにならないが、クローブを感じるのは、カーネーションの香りにはクローブと共通する成分が含まれているからかもしれない。

クローブは、カレー、チャイ、スペキュロスクッキーなどには欠かせないが、量を間違えると薬臭くなり興ざめする。
消炎や鎮痛の効果があるとも言われる。夫が夜中、歯が痛くなったときに、クローブのホールを痛い歯で噛ませたところ、「ましになったような気がする」と言っていたので、効果の度合いはよくわからない。

そういえば、ニナリッチのレールデュタンもカーネーションが調香されている。
歯医者さんの匂いがするという口コミがあったが、私は好きかもしれない。





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