【小説】豊と正の、珍道中4

ー汚い海岸ー

 ついに豊と正の旅は始まった。麦屋(むぎや)市駅に着いた。豊と正はリュックを背負ってポケットから財布を取り出しキップ売り場で、徳金(とくがね)海岸駅へのキップを買った。
そして改札口で豊は、
「キップどっちから入れたらいいんだ!」
と戸惑ってたら、
「どっちでもいいわ!」
と正が怒った。
「全く!田舎者丸出しな上、お前は電車もまともに乗れないのがまるわかりだぞ!一体何歳になったんだ!」
正はカンカンであった。
「そんなに怒んなくてもいいじゃんか…」
豊はまたもや戸惑った。
「怒りなんか通り越してあきれてるわ…旅の始めからこれでは先が思いやられる…」
正はカンカンなのが、ため息をついた。
徳金海岸に着いた。海は汚く汚れていた…ゾウリまで落ちていた…
「うぇ!なんだこりゃ!てっきりキレイな砂浜に海水浴場を思い描いてたのになにこれ!」
豊は驚きとともに吐き気がした「海だからって綺麗とは限らんだろ…旅の道中いろんな光景をそりゃ見るわな!」
正はまたもや呆れたが、切り替えしてはげました。
「さてこれからどうする?」
気を取り直して豊は正に聞いた。
「まあ旅館でもさがすか」
そう言って、旅館を探し始めた。
 徳金海岸を出て旅館を探した。いろんな珍しい店があった。汚い海の近くの町や村が続いたが麦わら帽子店、とくに穴がたくさんあいたボロボロの麦わら帽子やピカピカな麦わら帽子を一緒に売っている店があった。カモが飛びカラスもいる林がある雑木林だ。店に入ると白い髭を生やし、浴衣を着た老人がいた。
「爺さんこの穴がたくさんあいた麦わら帽子はいくらかな?」
正が聞いたら老人はゆっくり立ち、
「100円じゃよ!なんせ海でおちてるのを拾って磨いた帽子じゃからの…ホー!ホー!ホー!」
「わかった…その帽子で我慢する…」
正はそう言って100円出そうとすると
「我慢とはなんじゃー!我慢とは!お主らおちょくっとんのかー!」
そう言って老人はこん棒を出し振り回して怒鳴り飛び出した!
「ヒィー!勘弁してー!」
そう叫んで二人は逃げた!
「何なんだあの爺さん!変質者じゃないのかよ!」
二人は汗をかき、命からがら武器屋を探し始めた…

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