【小説】豊と正の、珍道中17

ー不屈の文香ー

 ハハハ!オマエハオトリダ!

大魔神は、文香を脅そうとした。だが文香は
「バッカじゃないのー!あんたら、ダサい服着てダサい声で歌ったり、足らん頭で策謀練るんだな!とか言ってたけど、私があんなバカで頼りにならなくて、間抜けな豊をあてにすると思ってんの!あんなマヌケが策謀なんか練れるなんて微塵も思ってないわよ!あんんたらは、私がせいばいするかもね!」

オマエハ、オトリデハスマサナイ!

大魔神は、あおられていた。

オマエニ、デスメタルノ、ボーカルシテモラウ!

「はー!誰があんな気持ち悪い声出せるかって話よ!あんたら勝手にメタルバンドやりたいなら、やればいいけど一般住民まで巻き添えにしないで!」文香は不屈の精神で反抗していた。

テレビで、豊達は文香を見ていた
「やっぱりな…文香がただでやられる女じゃないのは、わかってた…オレらのことも、全くアテにしてないしな」
正は予感通りで、最初から心配はしてなかった。
「文香らしいわ…私なら誘いに乗ってボーカルやりたいし、ジャンジャン儲けたいな…」
朋佳も心配どころか、うらやましくてしかたなかった。

ー作戦会議ー

豊達はなにやら修行しなおして、どうしようか話し合っていた
「なあオレ達このままじゃダメな気がする…弁論家なんて想像つかないが、この際メタルの勉強でもしてみたらどうだ…そんなにメタル好きなら、雑誌でも読んでみたらどうだ…メタルバンドが、どんな考えで活動してるかわかるかもしれない…」
正は豊が弁論家なんて想像つかないがせめて勉強だけでもしてみたらと思った。朋佳も
「豊も変な爺さんと子供とやりあってる時にどう戦ってたか見てないけど、頭は回るんだよね、そんな修行場なんてないだろうから雑誌読むしかないんじゃない」
豊は
「修行場があればいけるど、確かに知識入れればなんとかなるかな…」
豊は自信なさそうだ。だが正と朋佳は豊に期待するしかないと、何の根拠も希望もなく、ただ小説の主人公だから面子を持たせたいと思ったようだ。

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