ビジュアルノベルの唯物論
一時期,過去にたくさんのビジュアルノベルブームがあった.
シュタインズ・ゲートやダンガンロンパ,fate,ひぐらしのなく頃になど数えるときりがないほどのポスト文学などが流行る時期があった.
今作はもう1度ビジュアルノベルがシンギュラリティ,技術的特異点の時代にどうアクチュアリな働きをするか?考えていきたい.
ビジュアルノベル的なオタクの理想論が実際にYouTuber的なヤンキーの現実論とどう折衷してきたか?見ていきたい.
しかし,ビジュアルノベルはメディア・アートであり,テクノロジーの思想家・落合陽一の言う通り,テクノロジーこそ古びて現代では理解しづらいことがある.
字面だけを追ったり理屈の要点をただ整理したり実際に見ても深さや楽しさが分からないことが多い.
ましてやビジュアルノベルとYouTuberの連続性は更に難易度が高いブリッジだろう.
というわけで,実際に批評系YouTuber集団として様々な方々たちと対話した記録がいかにビジュアルノベルという古くて新しいジャンルの唯物論をしているかを改めて生々しく伝えられたら良いと思う.
この対談集はあえてざっくばらんにして多方面に開き,いつもと違って理屈をあまり振り回さずにするように心がけた.
本当は数十冊分にも及ぶアイデアが詰まっているが,堪忍させていただきたい.
しょせんはYouTuberだって壊れて古くなるブリキのオモチャだからだ.もちろんこれはビジュアルノベル,リアルフィクションと評してYouTuberカルチャーもビジュアルノベルの教養の発展史として位置づけるものになっている.
日本の美術,西洋美術からオタク,そしてYouTuberへと変化したのち,後者のオタクからYouTuberへの流れを整理できたら良いなと思っている.
しかし,理屈は軽度にと言っても,この対談集にも分別はある.
1,小高和剛 2,奈須きのこ 3,新海誠 4,虚淵玄(都心)
5,成田良吾 6,千代丸 7,西尾維新(郊外)
8,BIOHAZARD 9,SIRENTO HILL 10,SIREN(異世界)
1〜4はあくまで都心を中心にした硬派なビジュアルノベル,5〜7は比較的大衆を狙ったポップなビジュアルノベル,8〜10は海外や過去を扱ったホラーゲームの名作の批評的価値や魅力を伝えることを大雑把な趣旨にした.
もちろん厳密には定義できないアートなので定義付けにツッコミだったり,ひぐらしのなく頃にやかまいたちの夜がないじゃないかなど細かい批判は筆者の力量不足で申し訳ないと思う.
また,私とYouTuberカルチャーを対談してくれた方々には感謝をする.および文字起こしを手伝ってくれた方にも.
もちろんYouTuberもメディアアートなので消えていく宿命だ.
今ここにビジュアルノベルとYouTuberを刻むことが出来た事に祝福をさせてほしい.
2023年1月13日 古田更一
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