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VOW WOW を聴く Vol.1

CYCLONE

ファーストアルバムから飛躍的にスケールアップしたセカンドアルバム。
歌詞は全編英語となり、人見元基氏の歌唱力も相まって、いわゆるジャパメタとは一線を画すグレードの高いバンドである。

1曲目は " Premonition " 、こちらは2曲目 " Hurricane " の序曲的な位置づけで、大きな期待を予感させる壮大な雰囲気が感じられる。
そしてそのまま " Hurricane " に突入するが、こちらは正に " Highway Star " の進化形という趣で、中間部のギターとキーボードのアンサンブルは圧巻である。

一押しは4曲目の " Love Walks " 。こちらは人見氏のためにあるような " 泣き " の塊のような楽曲で、演歌も受け入れ可能なメタル大好きっ子にぜひ聴いていただきたい。
ちなみにラストアルバム " Mountain Top " に収録されている " Love Lies " はサビメロがバッサリ切り落とされた劣化版なので要注意。

またプログレ好きには厚見氏の作品 " Rock Your Cradle " も外せない楽曲だ。
こちらは冒頭の歪んだオルガンリフと中間部のソロがとてもアグレッシブで印象深い。
またシンセストリングスよるシンフォニックなアルペジオも効果的に使われ、ハードロックサウンドにプログレテイストを塗した傑作と言える。

Release : 1985
Category : Heavy Metal
Total Time : 43:05
Country : Japan

VOW WOW Ⅲ

多くのファンが最高傑作に上げるであろうサードアルバム、捨て曲一切なしのハイレベルな作品。

" Shot in the Dark " はシンセアルペジオをメインリフにしたハイスピードチェーン。ステージでは厚見氏がショルダーキーボードをド派手に操るバンドの代表作である。

シングルカットされた " Nightless City " も定番中の定番。
特にバースからサビへの盛り上がり方はテンション爆上がりで、おそらく
" Roland Jupitar-8 " と思われる分厚いシンセサウンドも、曲全体に迫力を与える重要な役割を担っている。

このバンドの良いところは、リリースしたアルバムに必ずと言っていいほど、素晴らしいバラードが収録されているところ。
この " Ⅲ " でも、" Shock Waves " や " Pains of Love " といった珠玉のバラードが2曲収録されており、どちらも人見氏の力強いヴォーカルを最大限に引き出した傑作だ。

半端ない歌唱力はもちろんのこと、ヘヴィなギターを軸としたメタルサウンドに、Mini Moog や Organ , RolandのJupiter-8 等の鍵盤サウンドが派手に重なるというスタイルは、国内外において唯一無二の存在といえるバンドだったはず。

Release : 1986
Category : Heavy Metal
Total Time : 43:14
Country : Japan

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