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月にうさぎが暮らす理由

今週の10月17日の月は、
地球から最も近い位置で
満月を観ることが出来るそうです。

私達、日本人は月を眺めると
つい月に暮らす「うさぎの姿」を
探します。


何故、月にはうさぎが
棲んでいると教えられて
来たのでしょうか?

実は、その謂れはインドの
「ジャータカ神話」が
起源となっています。


その「ジャータカ神話」とは
どんな神話なのでしょうか?
 
昔あるところに、
キツネとサル、そしてうさぎが
暮らしていました。

ある日、3匹は
空腹のあまり倒れ込んでいる
ひとりのお爺さんと出会います。

お爺さんは3匹にこう語ります。
「すみません、
何か食べ物を恵んでください」

心優しい3 匹は
「まかせてください!」と
食べ物を探しに出掛けます。

しばらくして、キツネは、
お墓からたくさんの
お供え物を持って来ました。

サルは、山の木に実のる
たくさんの果物を
持って帰ります。

しかし、うさぎは何も
食べ物を持ってくることが
出来なかったのです。

手ぶらで戻ってしまった
うさぎは、悩み
そして覚悟を決め声宣言します

「もう一度探しに
行ってきます。
帰ってくるまでに
火を焚いて
待っていてください」

そう言い残すと
再び飛び出していきました。

しかし、今度もまた、
うさぎは食べ物を
持ってくることが
出来なかったでした。

キツネとサルは
「お前ウソつきだな!」と、
うさぎを責めたてます。

ですが、うさぎは
もう悩むことはなく、
お爺さんにこう語ったのです。

「私には食べ物を
とる力がありません、
ですがあなたの命を
救うことはできます」
どうぞ私を食べてください」

そう云うや否や、
焚火の中に
飛び込んだのでした。

なんと、うさぎは自分の命を
おじいさんに捧げたのでした。

それを見ていたおじいさんは、
悲しみ、涙を流して
こう語ったのです

“お前たちは清く正しい
心の持ち主だ、特にうさぎは
特別に素晴らしい真心を
持っている。
うさぎの気持ちを
他の動物たちもどうか
見習って欲しい”

そしてなんと、うさぎの姿を
誰でも見える月の中に
甦らせたのでした。


こうして、うさぎはいつまでも
月の中で生きることに
なったのでした。

そのおじいさんの正体、
実は、雨を降らせ大地に
実りを与える神
帝釈天様だったのです。

国宝 帝釈天騎象像 

また、インド以外にも
中国の神話では、
月のうさぎは杵を持って
「不老不死の薬」を突いていると
考えられていました。

これが、日本に伝わってから
餅をつくに変化したと
言われています。

その理由は、日本で満月を
表す言葉「望月」が転じて
「餅つき」になったということです。

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