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時間を教えてくれる不思議なセミのお話

セミも、この暑さには参っているのかも?

セミはその種類によって
鳴く時期が決まっているそうです。

アブラゼミ
アブラゼミはこの時期から9月末頃まで。
鳴き声は、油を炒めるときの音が
名の由来といわれるように、
『ジリジリジリジリ』と細かく続きます。

ミンミンゼミ
ミンミンゼミは、アブラゼミと同じく
7月中旬から10月初旬まで。。

ツクツクボウシ
ツクツクボウシも7月中旬から10月半ば頃まで。
鳴き声は『オーシツクツク』を
繰り返して鳴きます。

そして最後は、「ジー…」で終わりますが、
あの「ジー…」は、近くに
ライバルとなるオスがいて、
その鳴き声を邪魔していると
考えられています。


さて、セミといえば
イソップ物語のひとつ
「アリとキリギリス」のお話があります。

実は原題のタイトルは「アリとセミ」。
この童話がドイツやイギリスに
伝わった際、
「キリギリス」に変えられたのです。
なぜなら、ヨーロッパで
緯度の高い国にセミは生息していないためです。
 
日本には、この置き換えられた
「アリとキリギリス」が、
なんと戦国時代に伝わっています。
しかし面白いのは、日本の場合、
この時代に
すでに他の国のエンディングと
違うこと。

他の国では、自分が怠けたのだからと、
アリはきっぱりと食べ物を
分け与えることを拒否していますが、
日本の場合のみ、
「今度の夏も元気になって
歌と踊りを見せて下さい」と、
アリがキリギリスに食べものを
分け与える「情け」の話と
なっています。
 
日本では、地上に出ると短い期間で
死んでいくセミは、古来、儚い無常観を
想起させる「もののあはれ」の
代表だったため、内容が変更されたと
云われています。
 

最後にちょっとユニークなセミのお話を


トラック諸島にいるミドリチッチゼミという
セミは鳴く時間が決まっています。

時間で言うと夕方の5時56分に
鳴きはじめおよそ30分間鳴いたら
また静かになります。
時計が無くてもある程度、時間が
判るというセミです。

実は同じようなセミ、日本にもいます。
沖縄本島の一部地域に生息する
クロイワゼミは夕方の
7時15分から
鳴き始め7時45分になると
ピタリと鳴きやんで
静かになります。

環境省RL:絶滅危惧Ⅱ類のクロイワゼミ


決まった時間に鳴くというのは
セミの体内時計によるものと
考えられています。

話はもどりますが、トラック諸島の
ミドリチッチゼミ、
鳴く時間が決まっている他に、
もうひとつ可愛らしい習性が
あります。

それは鳴いている時に手を叩くと、
樹から飛び立ち、
手を叩いた人の頭に止まることです。
何故そういう習性があるのか?
それはまだ謎だそうです。

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