友野一希『魅せる』系譜

先日、フィギュアスケートの宇野昌磨選手(まだここでは選手と呼ばせて頂く)の引退が報じられた。

彼は銀盤を自分の世界に染めて
尚且つ命を吹き込めるような力があった。
その素晴しい才能が去ることは心から惜しく、また、寂しい。

私はスポーツ全般を楽しむ素人なので
専門的な事は詳しくないが
フィギュアスケートを観ていて
何より心が惹かれるのは
『魅せる』事のできる表現者の滑りだ。

noteで度々書かせて頂いている友野一希選手が当に『魅せる』スケートだ。
彼の演技にはいつもワクワクしてしまう。一瞬たりとも目が離せない。
その演技は『研ぎ澄まされた芸術』であり、そこには『魂』が宿っているからだ。

いま改めてこの『魅せる』系譜を辿ってみると
髙橋大輔氏〜宇野昌磨選手という
素晴らしき表現力のスケーターの姿が華やかに浮んでくるのである。

髙橋大輔氏、宇野昌磨選手、
そして友野一希選手
元々の『振り付け』を丁寧に咀嚼し
その世界観を何倍にも広げ
観ている者の心を瞬く間に『かっさらって行く』(笑)事が出来るスケーターだと、私は確信する。

ただ優雅なだけではなく、力強さや、儚さ、喜怒哀楽、感情の全てを
ほんの数分間の中で、その音楽と一体化し見事に演じ切れる技量。
観るもの全ての心に訴えかけてくる感情の波の深さ。
それをやってのけられるフィギュアスケーターはそう多くはいない。

そのパイオニアであり、今も輝き続けている髙橋大輔氏。
先人を引き継ぎ、更に己の世界を成し遂げた宇野昌磨選手。
そして
魅せる表現力が益々深く進化し、躍動している友野一希選手。

『魅せる』事が出来る彼らの演技には巧さだけではない、何と言おうか『熱い』そして『暖かい』人間性までもが感じられる気がするのだ。

私は
何回転ジャンプしたとかいうアクロバティックな技よりも(いや、勿論それはそれで素晴らしいのだが)、
その演技の中で
何回自分の心が踊らされたか
何回思いが込み上げる感覚を覚えたか
が最重要であり、
『え?もう終わり?』と
見終えた瞬間からまた観たくなる様な
得も言われぬ感動を与えてくれる様な
そんな演技に心惹かれるのである。

感動の余韻は中々消えない。
そして心の温度を上げてくれる。
寄り添い、励ます力がある。

だから友野一希選手のスケートが
本当に『大好き』なのだ。

選手として『魅せる』系譜を受け継ぎ
その銀盤の上で躍動する
唯一無二の友野一希選手に
これからも感動し続けていく事だろう。

そして
素晴らしき才能のフィギュアスケーター高橋大輔氏、宇野昌磨選手の更なる
挑戦もとても楽しみである。

溢れる程の感動を与えてくれる
『魅せる』系譜には
納得の理由があったなと
勝手に(笑)満足した5月のとある日であった。

では、また。







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