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麻雀63:和久津晶の魅力【最強戦2023#12】

打倒最強位決戦

現最強位・瀬戸熊との因縁を抱えたメンバーを集めた、今回の最強戦。決勝卓のメンバー4名はすごく豪華で因縁めいた対局になった。

決勝メンバー

左から

和久津晶
連盟Aリーガー。元セガサミーフェニックスに所属するMリーガーであった経験もある、名実兼ね備えたトッププロ。瀬戸熊を追いかけA1に昇りつめ、今また瀬戸熊最強位と決勝の舞台で勝負するべく、戦いに臨む。

宮内こずえ
連盟所属。女流桜花連覇などタイトル多数。最強戦2021では、最強位まであと一歩のところで、瀬戸熊に捲られるなど、瀬戸熊へのリベンジに一際燃えている選手。

小林剛
麻将連合所属。Unextパイレーツ所属。言わずと知れたデジタル麻雀で、瀬戸熊とはほぼ真逆と言っていい雀風。自団体の最高峰・将王をはじめタイトルを多数獲得している小林だが、最強戦での成績はパッとしない。静かに闘志を燃やしているか。

萩原聖人
連盟所属。TEAM雷電所属。瀬戸熊とはチームメイトであり、瀬戸熊の最強位連覇を誰よりも祝福しているものの、そんな力強いチームメイトとの同卓を楽しみに決勝進出を目論む。

和久津の魅力

そんな4名での対局は、攻撃的な雀風がそろったこともあって、全員がテンパイまで一番乗りを目指してのスピード勝負あり、誰かからリーチが入った後も単にオリに回るだけでなく粘りの姿勢をみせるなど、だれも主導権をとれないままに迎えた南3に、先制テンパイでリーチを打った和久津と、粘って大物手に仕上げた宮内のタイマン勝負を和久津が制し、そのままの勢いでオーラスも和久津がアガリきって勝負を決した。
和久津のいいところが存分に発揮された対局になった。そんな和久津の魅力を挙げていきたい。

超攻撃型麻雀

「アマゾネス」の異名を象徴されるとおり、和久津の麻雀は、攻撃的な面が強い。ただし、何でもかんでも攻める攻撃一辺倒ということではなく、勝負所を見極めて、ここぞという場面で恐れず攻め切るスタイルといえる。
重要なのは勝負所の見極めがきっちりできているところ。ゆえに、観るものにとって、勝負所での結果が吉とでたときには、爽快な勝ち方になるし、運なく負けたときにも負けて悔いなしと映る。
麻雀プロとしての魅せ方を心得た麻雀を打っている。
余談になるが、Mリーガーだったときには、上記のような思い切りの良さがあまり見られなかったのが残念でならない。入団から結果がついてこない時期が長かったことで、自身の選択を信じきれなくなった面が少なからずあるものと思われるが、数多のタイトル戦を経験した一流プロでも自身の麻雀を見失ってしまうのだから、Mリーグの舞台の大きさ、重圧を思い知らされる。

ファンへのサービス精神

和久津の年齢を聞くとびっくりする(ここでの言及は避けたい)。年齢からは想像できない見事なプロポーションを誇っている。それもこれも、和久津自身が、プロとしての「カッコ良さ」を強烈に意識しているから。プロポーションに対するストイックさもその一環といえる。この点、熱闘Mリーグ内で、和久津への密着特集で本人が語っていたことである。
そうしたプロ意識の原点は、ファンに対する感謝の気持ちであると思う。インタビューなどをみるにつけ、一言目にでてくるのは、ファンへの言葉である。今回のように、勝った場面では「感謝」の言葉であったし、対して負けた場面では悔しさの表明よりも「申し訳なさ」が先行する。
自己主張やアピールが強いプロの世界において、ここまで「無私」を貫ける選手も少ないように思う。それこそ、一流プロの証だと思う。

Mリーグへのカムバックに期待

私はそんな和久津の麻雀が好きだし、Mリーグの舞台でまた観たいと常々思っている。過去の記事でも、彼女のカムバックを期待する心情を吐露してきた(詳細は下記の記事を参照ください)。

この最強戦でみせた彼女の麻雀は、プロクイーンなどのタイトル戦の決勝卓にいつもすわっていた頃、彼女にとって絶頂期ともいえる時期の荒々しさが戻ってきたようにみえた。この麻雀をみているであろうMリーグ関係者の目には、少なからず好意的に映ったはずである。とくに、チームカラー的にビーストの戦力補強候補として白羽の矢が立ってもおかしくないと期待している。
今後の和久津晶の去就に注目したい。

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