たくさんの感動をありがとう
激動のパリ五輪男子バレーボール準々決勝が昨日終わりました。
一晩経てば落ち着くかと思いましたが、今でも心がぐちゃぐちゃです。
仕事をしながら、家事をしながら、ご飯を食べながら。ふとした瞬間に、昨日の石川祐希の涙を思い出して、感情が乱される1日になりました。
昨日の試合、リアルタイムで見てました。
点が入るたびに拍手して、スパイクが拾えたら拍手して。何度もあと1点と祈り続けた数時間でした。
結果として、敗退という結果になりました。
だけど、今まで見てきた彼らの試合の中で最高のパフォーマンスだったと思います。
だからこそ悔しくて、だからこそ世界の壁の高さを感じ、そして「あと一点」の遠さを初めて強く実感しました。
だけど今、何よりも心を占めているのは、さみしい、の一言です。
私はこのチームが大好きでした。
初めて本気で応援したチームでした。
ハイキュー!!から入ったにわかで、ルールだって全部理解してるわけじゃなくて、今年のVNLからという本当ににわかファンだったけど。
それでもこのチームが大好きでした。
だから、もう二度とこのチームを応援できないのが寂しくてさみしくて。それが一番かなしいのかもしれません。
5月のVNLを見るためにU‐NEXTに入りました。
初めて本気で1つのチームを追いかけました。
テレビ越しでしたが、初めてリアルタイムで観戦する緊張感を味わいました。
SNS越しに同じように応援しているみんなと騒いで、同じ温度を共有しました。
テレビ越しだけど、勝つたびに拍手して、負ければ頑張れって思いました。
だけどそれができたのも、負けてもまた彼らの試合が続くと知っていたからで。もう二度と見れない今になれば寂寥感が大きすぎます……
そうして迎えた、8月5日。
5セット目が終わった瞬間、泣いていました。
いつもなら、感動ドラマでも泣かないのに。スポーツ中継で何が面白いのかわからなかったのに。
なのに、泣いた。
初めてでした。それだけ本気で応援してた。
負けたことが悔しいんじゃない。でもなんだかとても心が空洞になった気がしました。
未だ立ち直れていません。ふとした瞬間に心臓から変な音がする。
1日明けて、今日。
ネットニュースがたくさん流れてきました。そのタイトルを見るたびになんだか心臓が痛い。
記事に張り付けられた石川祐希が泣きながらブラン監督に抱きしめられている写真を見るたびに、過去に戻りたくなる。もう一回、が見たい。もう一回あれば勝てるかもしれない。そう信じさせてくれた試合だったから。
この3か月間、男子バレーを追いかけるために、サービス残業を放り投げて仕事から早く帰ってきて、家事を最速で終わらせて、そうしてテレビの前に座りました。リアルタイムで応援するためにびっくりするくらい早起きをする日もあった。
生活の軸で糧だった。それくらい初めて本気で応援していた。
彼らが大好きでした。
お茶目でよく選手たちと笑いあっていたブラン監督が。
そんな監督を信頼して、ベンチの中でも笑っていた彼らの雰囲気が。
チームで大黒柱なのに、チームメイトからいじられることもあった石川祐希が。
世界でも有数の選手である石川祐希に物怖じしない、対等に同じ視線に立って同じ夢を追いかけた、キャプテンを絶対に孤独にしなかったチームメイトたちが。
外から見ているだけでも、経験年数、先輩・後輩の垣根を超えて仲が良いあのチームが。
コイントスが弱いことをネタにできるくらい、いつも楽しそうだった彼らが。
私はそういう彼らが大好きです。
きっと、永遠にこのチームが大好きなままだと思います。
だって、たくさんの初めてを貰いました。
初めて
バレーという競技の面白さを知りました。
リアルタイムのどきどきハラハラを知りました。
何かを本気で応援しました。
ネット越しでも同じ熱量で一つのものを応援する面白さを知りました。
スポーツに心揺らされました。
手に汗握る、を知りました。
きっとこれからも男子バレーを応援し続けると思います。
10月からのSVリーグも見に行こうと思っています。
だけど、このチームは二度と見られない。
既に高橋健太郎選手が代表引退を表明しました。
西田有志選手がしばらく代表休養を表明しました。
山内晶大選手の「ラストダンス」の言葉。
ブラン監督が退任します。
これだけでも、来年の男子バレー日本代表ががらりと変わる予感がします。
4年後。このチームで何人が残ってるんだろう。誰が監督なんだろう。そのチームの雰囲気は悪くないだろうか。
今が最高だと知っているからこそ、心配がつきない。
だけど。今はただ、最高の3か月をくれた彼らにありがとうと伝えたい。
たくさんの夢と興奮と楽しさをくれた彼らにただ感謝を。
外野の声に惑わされず、この3か月を日本と山のような期待と重圧を背負って全力で駆け抜けてくれた彼らには、心と体の休養をしてほしいです。
どうか、彼らにとってこのチームが少しでも良いものであればいいと祈っています。
最後に。
本当に夢のような時間をありがとうございました。
このチームだったからこそ、夢を見ることができました。
「バレーボールは面白い」を体現してくれて、証明してくれて、ありがとうございました!