さなコン2、2次通過ならず……!&かしまからのお願い

1次審査を通過したさなコン2ですが、2次通過はならず……!
200を超す1次通過作品から20作品ほどが2次を通過したので、大体想定通りの倍率で、さすがに厳しかったか!となった次第です。
後日講評が公開されるのでそれを待っている感じです。

2次通過できなかったのはやっぱり悔しく、手元の作品をじゃあどんな風にブラッシュアップすればよいのかということを考えたりしています。
ただ一方で、SF作家協会の人々が「これもSF!」「あれもSF!」と通過させた200を超える作品の多彩さを思うと、SFの定義の広さを感じずにはいられません。今回、さなコン2に参加したことでそれを頭と言うより肌で感じ、とても新鮮でした。

SFというか「すこしふしぎ」を好む私はいわゆるハードSFのようなものに抵抗があり、なかなか手が伸びない状況です。しかし、2017年に日本で出版されたケン・リュウの短編集『紙の動物園』は「すこしふしぎ」であり、SFでありながら幻想と伝説が当然のような顔をして溶け込み一つの世界を形作っており、初めて読んだ時の驚きや不思議さに眩暈がしながらもスッと情景が目に浮かんだことが忘れられない。ああいうテイストのSFならできるかも、とさなコン2参加作品を書き出したのを思い出します。
ちなみにケン・リュウ『紙の動物園』は表題作「紙の動物園」のノスタルジックな雰囲気に胸が締め付けられるようで、主人公に寄り添う銀紙のトラさんがなんとも寂しく愛おしく私の大好きな作品です。


今年は色々賞に作品を提出してみよ~と思いながら、さなコン2次の結果が出て以来、長い間こねくり回している話は「ホンマに面白いん? コレ……」現象が起きており、なかなか辛い。そもそも、何が面白くてこんなストーリーにしたのか、何が良いと思ってこんなキャラ設定にしたのか?とすべて没にしたくなる気持ちもあり、一方でずっと「こういうのが好き」を明確にさせていた要素が新たな側面を持って立ち上がってきたり、手癖で書ける作品を憑りつかれた様に書いており、心も手も脳も休まる暇がありません。

ずっと一次創作で書きたかったネタを形にしたりして、脳みそはちょっと落ち着いてきたかもしれません。書き上げてみると、ネタを膨らませて形を整えてもっと長いお話にできるかも、と思ったりもして改めて自分にとって書くことがどれほど楽しいか思い知らされています。

それはそうと、これは切実なお願いなんですが、共犯あるいは共依存関係の人たちがメイン(主役じゃなくても良い)に出てくる作品があったら映画でも小説でも漫画でも教えてください。共犯・共依存関係の2人は別に自立して離れたりしなくていいです。私は共犯・共依存関係の人々の話をおかずに白米食えるくらいにこれが好きです。見かけたらマジでお願いします。

ちなみに私のおすすめの共依存の2人の話と言えば、『最遊記』シリーズでおなじみ、峰倉かずや先生の『WILD ADAPTER』。これで共犯・共依存関係が大好きになりました。これ↓はOVAの公式サイト。お互いに名前と体以外何も持たない「久保ちゃん」と「時任」が出会い、深い深い闇の水圧の底で息をしている、そんな話です。

あとは、テリー・ホワイト『真夜中の相棒』。共犯・共依存という関係は否応が無しに湿度が高くなりがちなんですが、カラっとしたアメリカの晴れ間のシーンでもなんとなく湿度が高くてどっちかというと「びしゃびしゃの湿度」って感じです。私はこの小説の人が死ぬシーン(ネタバレになるので誰の死ぬシーンとは言いません)のあまりにあっさりとしたその死にざまに痺れました。悲しくむなしくもありながら、こんな生き方をしてきた人の死に様はこうでなければいけないと読者に納得させるその空気感に圧倒されました。最後のシーンで、もう後の時間は余生だと言わんばかりの「おいて行かれた2人」の様子が胸にきます。


共犯・共依存の「どこにも行けなくなってしまった」2人が「互いの傍でようやくきちんと呼吸ができる」、そういう閉塞感の中に見出す安寧が好きなんだろうな~~と思ってる。まあとにかく、良い感じの共犯・共依存関係の人々がメインで出てくる良い作品があったら教えてください。頼んだ!

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