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『強すぎる数え歌』

「うわー、あの数え歌だ!みんな、逃げるぞっ!」
悪人どもが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「いやー、痛快痛快」
そう言って物陰から出てきたのはひょろりとした青年。
「まったくあの数え歌ときたら強すぎる。三つ数える間にみんな逃げていく。いや、強すぎたのはご先祖様か。そのおかげで、四代目の俺は腕自慢じゃなくのど自慢でやっていけてるんだからな」
うむうむと一人うなずく青年。
その時、どこからか悲鳴。
「ん?俺の出番か。では歌って進ぜよう。
 ひとつ、人の世 生き血をすすり
 ふたつ 不埒な悪行三昧
 みっつ 醜い浮世の鬼を 退治てくれよう 桃太郎」


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