見出し画像

椿大神社

 椿大神社つばきおおかみやしろは伊勢国は鈴鹿のふもとにいますお宮です。その歴史は2000年を超えると言われ、三輪明神と並んで日本最古の神社のひとつです。ご祭神は猿田彦命であり、猿田彦命をお祀りするお宮の総本宮といわれます。
 猿田彦をお祀りするのは白髭社が有名です。白髭社は日本中にあり、その総本宮は近江の高島にいます白髭神社ですが、こちらは日本三代実録にはその祀る神のことを「比良神」と記述していますから(貞観七年正月十八日の条)、もともとは白髭神社のご祭神は猿田彦ではなかったのかもしれません。

近江の白髭神社。 湖中に立つ鳥居は非常に有名。
現在は道路と沿岸には柵が設けられていて沿岸には近づけない。
道路を勝手に横断するものが後をたたず交通上の危険があったためだ
別角度
二の鳥居 この鳥居の奥に拝殿がある
拝殿 令和6年10月1日現在では改修中である
社殿背後の山の中腹から琵琶湖を望む この山中には境内域を含め古墳が散在している

 さて椿大神社ですが境内域に土公神陵とて猿田彦命のお墓と伝える前方後円墳や、瓊瓊杵尊ににぎのみことがお船を繋がれたと伝わる御船磐座があり、極めて古い時代の名残をつたえます。わけて猿田彦命は道別ちわきの神であり、困難な道を開いてくださる神としての崇敬篤く、パナソニックの創始者松下幸之助やかつての首相岸信介もこのお宮を敬いました。

参道
参道 巨きな杉の樹が立ち並び、湿度を帯びた清らかな空気が流れていく

 椿大神社は伊勢の皇大神宮が垂仁天皇26年(BC4年)に創建せられたその1年後に倭姫命の託宣によって現在地に創建されたと伝わります。歴史深く、境内には並々ならぬ神気が満ちています。

本殿を背に参道を写す 見事な敷石

 鈴鹿の山にいますこの大神はいったいなにごとなのかははかりかねますが、社殿の背後に聳える鈴鹿山系の峰の一つ高山入道が嶽の頂にはさまざまな磐座があり、また少し離れた場所にある別宮に石神社という延喜式内社があり、巨岩を宮としていることを思えばはるかな昔からの祭祀が営まれていたのでしょう。国津神と天津神との関わりは複雑です。伊勢の神宮そのものもこれほど知られているにかかわらずその内実は一切神秘といっても過言ではありません。伊勢という土地はどれほどの歴史と神秘を秘めているのでしょうか、かしこきことです。

椿岸神社わきの遣水

 さてあまりの可畏さに社殿の写真を私は撮っていません。今後もご神縁あらばこのお宮にいたり、写真も撮れ、お宮についての学びも深められるでしょう。なにはともあれこのお宮の神威のほどはひとかたならぬものと存じます。

 なお参道にある椿会館の食事は絶品です。てんぷらも衣軽く刺身も味濃く、鶏の炊き込みご飯がもちもちして本当に美味でした。
 椿大神社は広大な駐車場があります。バスだと駅からはなはだ遠いですのでやはり車が便利でしょう。


椿会館の食事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?