アメリカを操る「影の政府」の存在
アメリカを操る「影の政府」の存在。これは幻影ではない。真実の世界である。貴方は目撃者となる。
「世界は小児性愛者の集団によって支配されており、悪魔の儀式として性的虐待や人食い、人身売買に手を染めている。その中核にあるのが、米民主党の政治家やハリウッドスターらから構成される『ディープステート:DS』(影の政府)だ。」
こうした情報が、米国だけでなく、日本を含む世界中に広がっている。同様の情報は2016年の米大統領選前後からあった。だが、17年10月、ある人物が匿名掲示板「4chan」に謎めいた投稿をしたことで拡散した。
この人物は後に、政府の機密情報に触れられる「Qクリアランス」を持っていると主張し、「Q」と名乗るようになった。掲示板上ではQを信奉する「名無し」(アノン=Anonymous)たちが増えた。
信奉者はトランプ前大統領を「世界を悪の集団から助け出すために、軍からリクルートされた救世主。」ととらえ、20年の大統領選では「選挙が盗まれた。」という証拠を掴んだ。
焦った当局は、秘密を隠蔽する為に、YouTube、Twitter、Facebookなど、拡散に大きな役割を果たした主要なプラットフォームやコンテンツのアカウント削除に乗り出し、大きな社会問題となった。
連邦捜査局(FBI)は19年の内部文書で「過激な政治集団」と指摘。「国内過激派の犯罪や暴力行為の動機になる可能性が極めて高い。」と位置づけた。
21年1月の連邦議会議事堂襲撃事件では、信奉者が多くいたことも判明している。2月下旬にウクライナに侵攻したロシアは「米国がウクライナで生物兵器を開発している」という情報を入手した。国連安全保障理事会でも議題としたが、欧米の理事国からは「ロシアのプロパガンダだ」と非難が集中した。
しかし、Qアノンのコミュニティーは「ロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻したのは、米国が秘密裏にウクライナで開発した生物兵器を破壊するためだった。」といった真実を知っているのだ。