『分配金』に気をつけて!
みなさんは、『分配金』をご存知ですか?
金融機関の窓口などで販売している投資信託にはこの『分配金』というワードがついてくるものがあります。
この分配金とは何なのでしょうか?
分配金の仕組み
分配金は一部の投資信託で出てくるものです。
その字の通り運用によって得られた収益を決算ごとに投資家(投資信託の購入者)に分配するお金のことです。
株の配当金のようにお金がくるわけです。
また、もう一つ似たようなものでは預貯金の利息がありますが、預貯金の利息は、事前に決められた利率にもとづいて支払われます。
一方で分配金はあらかじめ金額が定められているわけではなく、運用状況によって増減し、支払われない場合もあります。
株の配当金と異なるポイントは、分配金を受け取ると手元の現金は増えますが、支払われた分配金の分だけ運用資産は減少するということです。
株の場合、もし1,000円で購入した銘柄が1,200円になったとして配当金が出ても価格に影響はありませんね。
また、分配金は運用益以外からも支払われることがあることには注意が必要です!
分配金の種類
分配金には2種類あります。
一つは『普通分配金』で、普通分配金は、運用によって得られた利益(=元本を上回った分)を投資家に支払います。
増えた分が手元にくるイメージそのままです。
ただし、普通分配金は投資家の利益になるので、課税対象となります。
もう一つは『特別分配金』(元本払戻金)です。
これは利益ではなく元本の一部を投資家に「戻す」仕組みです。
元本払戻金は、個別元本を下回る部分から支払われる分配金です。利益が出たから来るのとは違い、元本部分を切り崩してこちらに支払ってくるのです。
払い戻された元本払戻金の額だけ基準価額(個別元本)は減少しますので、運用資金が減ります。
ちなみに普通分配金と異なり課税はされません。
元本の一部が戻されるわけで利益ではありませんからね…
分配金が多い=良い商品とは限らない⁈
分配金が多い場合、その投資信託はそれだけ利益が出ている良い商品という印象がありますね。
でも本当にそうなのでしょうか?
実は、一概に良い商品とは言えません。
運用効果の高さは将来まで保証されるものではないからです。ある時点で運用がうまくいき、分配金が多く出ていても、それが継続できるとは限りません。
また分配金が多く出る場合は、元本を取り崩している可能性が高いのです。
実際、元本を取り崩している場合、基準価額もその分下がり、複利効果がなくなって投資効率が落ちてしまいます。
分配金が出て『やった!』と喜んでいたら、実は元本を取り崩していただけで、気がついたら基準価額が下がっていて、後からそのことに気づいた…
なんてことになってしまう人も多いのです!
よく金融機関の窓口では、このように分配金が出る商品を『決算のタイミングでお小遣いがでるようなもの』というニュアンスでお客に伝えて、すごく良い商品のように勧めてくるところもあります。
事前に知識がなければ、実際に分配金が出たら嬉しくなりますし、お金は手元にきますから悪い商品とは思えませんよね?
知識を持ったおくことは、本当に大事なのです。
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